後見制度は、法定後見制度と任意後見制度に分けることができます。法定後見制度(成年後見、保佐、補助)の場合、その人選は裁判所が行うところ、紛争性がある場合や裁判等の手続が予想される等の場合には、親族が成年後見人等になることは、ほとんどありません。また、希望した成年後見人等候補者がそのまま成年後見人等になるとは限りません。ですので、判断能力が不十分になった場合に備えて、信頼できる弁護士に自分の財産の管理を任せたい場合には、その弁護士との間で任意後見契約を締結しましょう。
また、他の親族等が認知症の親の財産を私的に使い込んでいる場合にも、家庭裁判所に弁護士を成年後見人として選任してもらうことで、資産の流出を防ぐととともに、以後適切に財産を管理してもらうことができます。
さらに、相続の場面で、判断能力がなくなってしまった認知症の相続人がおり、遺産分割協議ができない場合でも、相続人の4親等以内の親族が成年後見人の選任を求め、成年後見人が選任されれば、遺産分割協議を進めることができます。