ケーススタディー

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よりより遺言書を作るために~「遺言執行者」をご存知ですか?~

2024年11月21日 木曜日

中瀬奈都子弁護士については、こちらをご覧下さい。 

kawagishi   

■昨今の「終活」ブームの中、よりよい最期を迎えるために、残された家族のために、遺言書を準備しようと考えている方が多くいらっしゃると思います。弊所にも多数の方から遺言書作成のご相談が寄せられています。その際、「遺言執行者」を定めておくことをお薦めする場合があります。この「遺言執行者」、どういう役割を持つ人か、みなさんご存知ですか?

■「遺言執行者」とは?

「遺言執行者」とは、遺言の内容を実現することを職務とする者のことです。具体的には、遺言の内容にしたがって、相続財産を管理したり、預金を払い戻して分配したり、不動産を売却したり、証券の名義を書き換えたり、相続人や受遺者へ遺産を引き渡したりといったことを行います。

「遺言執行者」は、遺言によって予め決めておくことができるほか、遺言に定めがない場合や、遺言で定められた遺言執行者が死亡したり、辞退した場合など不在になってしまった場合に相続が発生した後に利害関係人の申立てによって家庭裁判所で選任してもらうことができます。

■手続を円滑に進めるために

 遺言に、認知が定められていたり、推定相続人の廃除(被相続人が相続人の権利をはく奪する手続き)や取消しが定められていたり、一般社団法人の設立が定められている場合には、「遺言執行者」が必須になります。

上記のように「遺言執行者」が必須な場合以外でも、ご自身が亡くなった後、その遺志を確実に実行し、手続がスムーズに進むように、遺言書を作る際に「遺言執行者」を定めておくようお薦めするケースは多いです。

例えば、亡くなった後に不動産を売却して、お金に換えてから相続人に分配して欲しい場合、遺言執行者を定めておかないと、不動産の売却などを相続人全員で行う必要があるので、非協力的な相続人が出てくると支障をきたしてしまいます。「遺言執行者」を定めておけば、「遺言執行者」は単独で遺言を執行できるため、相続人の非協力的を気にする必要がないのです。上記のとおり、相続発生後に家庭裁判所に申立てをして「遺言執行者」を選任してもらうこともできますが、遺言で予め「遺言執行者」を定めておいた方がより簡便でスムーズです。

そして、「遺言執行者」には、相続人の一人や受遺者を指定することもできます。「遺言執行者」になれないのは、未成年者と破産者だけです。

■「遺言執行者」に弁護士を定めておくのをお薦めします

 「遺言執行者」は相続が開始されたら、

☑戸籍謄本などを取り寄せて、相続人の調査をして相続人を速やかに確定する

☑全ての相続人に遺言執行者に就任した旨の通知をする

☑遺産を調査して、正確な財産目録を作成して、全ての相続人に交付する

☑遺産を適切に管理する

☑預金の解約や証券等の売却、名義変更などの手続をして、相続人や受遺者に相続財産を引き渡す

☑遺言執行が終了した場合、相続人や受遺者に遅滞なく経過や結果を報告する

といった業務を行うことになります。

また、「遺言執行者」は、遺言執行業務について善管注意義務を負っており、職務を行うにつき過誤があった場合、相続人から善管注意義務違反として損害賠償請求を受けることがあり得ます。

相続人の1人を「遺言執行者」に定めることができますが、このような職責を負うことから、相続財産が多項目にわたったり、高額であったり、不動産があったりと、遺言執行が簡単に進まなさそうなケースには、専門家である弁護士を「遺言執行者」に定めるようお薦めしています。

また、高齢の配偶者に遺産を残したいが、配偶者自身で相続の手続を行うことが困難であると考えられる場合や、遺産が県外など遠隔地に分散している等手続自体が煩雑になる場合にも、専門家である弁護士を「遺言執行者」に定めるのがお薦めです。

■さいごに

家族が亡くなった後は、悲しみの中、葬儀や納骨といった故人を弔う儀式のほか、年金の受給停止や公的保険の資格喪失届の提出等の公的手続きを行うなど、たくさんの手続きをすることになります。

さらに相続手続を行うことはご家族・親族に大きな負担となりえます。残されたご家族のために、「遺言執行者」として、専門家である弁護士を定めておくことをお薦めします。

遺言書を作成したい、遺言執行者について詳しく知りたいという方は、是非、ご相談にいらしてください!

 

費用についてはこちら

投稿者 川崎合同法律事務所

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