ブログ

ブログ

10/16(水)は所内行事のため、16時30分に閉所します

2024年10月15日 火曜日

川崎合同法律事務所は、所内行事のため10/16(水)16時30分に閉所します。

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

孤立出産による乳児死体遺棄・殺人事件で執行猶予判決を獲得!(弁護士 長谷川 拓也)

2024年9月30日 月曜日

長谷川拓也弁護士については、こちらをご覧下さい。 

kawagishi   

1 はじめに
 昨今、全国各地で乳児死体遺棄事件は後を絶たず、弊所弁護士においても、乳児死体遺棄事件の弁護人を務めた経験が複数あります。
 とくに2022年、神奈川県では、乳児死体遺棄事件が4件も発生しました(うち、1件は、弊所長谷川弁護士が担当、もう1件は、弊所川岸弁護士及び長谷川弁護士が担当しました。)。
 今回は、2022年、神奈川県で発生した乳児死体遺棄・殺人事件において、異例の執行猶予判決を獲得し、各種報道でも取り上げていただきましたので、そのご報告をさせていただきます。少しでも、この記事が孤立出産に関係する事件で悩んでいらっしゃる方の助けになることを望んでいます。

2 事件内容等
 事件は、2022年4月、神奈川県川崎市にあるマンションで発生しました。マンションのごみ捨て場に出生したばかりの乳児が遺棄してあることが発覚、その後、乳児を出産したという成人したばかりの若い女性(以下「Aさん」と言います。)が死体遺棄の被疑事実で逮捕となりました。
 Aさんは、一人で自宅の浴槽で乳児を水中出産したものの、出産後、気を失ってしまったことから、Aさんが意識を取り戻したとき、乳児は、出生後、水中に沈んだ状態のままになっており、すでに亡くなっていたのです。
 しかしながら、捜査機関は、もともと、Aさんが乳児を殺害するつもりで、実際に乳児を水中に沈めて殺害したとして、殺人の被疑事実で逮捕しました。そして、その後、Aさんに対し、乳児に対する死体遺棄と殺人の被疑事実で起訴、市民の皆様も裁判員として参加する、裁判員裁判になりました。

3 孤立出産の問題
 さて、この事件は、どうして起きてしまったのでしょうか。もっと言えば、どうして、Aさんは、たった一人、自宅で出産することとなったのでしょうか。
 妊娠した女性が病院等における検診を受けず、未受診のまま、したがって、医療機関が介入しないまま、一人出産することを「孤立出産」と呼んでいます。まさに、今回のケースも、この孤立出産にあたるものと言えますが、この孤立出産の背景には、次のようなものがあります。
 つまり、妊娠した女性が幼少期に家族から虐待を受けたことがあるなどして、家族、とくに妊娠や出産について、先輩であり、一番の模範となるべきである母親との関係が良くないこと、女性に発達、知的な障害があることなどです。
 こうした特徴を抱えた女性においては、妊娠や出産に直面した際、周囲の人に対して、そのことを相談することができず、一人で抱えこんでしまい、かといって、自身で解決することもできずに、現実逃避してしまう結果、行き辺りばったりの出産を迎えてしまうことが多く、孤立出産に繋がるという訳です。
 そして、残念なことに、結果的に、こうした孤立出産が乳児死体遺棄や殺人事件に繋がってしまうことも少なくありません。
一般的には、「周りへの相談くらい、普通はできるでしょう。」という感覚があり、こうした女性に対する理解は難しいと思いますが、乳児死体遺棄事件で逮捕勾留となった女性と対面した際、実際に、こうした特徴を持っている女性は多いのです。

4 Aさんの抱えていた問題
 こうした孤立出産に繋がってしまう女性の特徴については、今回のケースのAさんにもよく当てはまるものでした。
 Aさんは、幼少期から、シングルマザーの母親の元で育ちましたが、母親は、昼夜、働いており、Aさんの面倒を見ることはできず、Aさんの面倒は、母親の友達が交代で見ている状態でした。もっとも、面倒を見ているとは言っても、Aさんに対する教育などは一切なく、Aさんは、日本語の勉強などは、テレビを見て、自然に覚えるという状態でした。そのうえ、母親は、Aさんの出生届について、Aさんが小学5年生になるまで出せておらず、結果、Aさんは、そのころまで、法律上はしない子でした。当然、Aさんは、幼稚園(保育園)には通えておらず、小学校についても、小学5年生から通いはじめるという、極めて特殊な生い立ちでした。
 まして、Aさんの母親は、シングルマザーの重責から、精神的に不安定な時期があり、Aさんに対し、ひどい言葉を浴びせることも多く、ときには、叩いたりすることもありました。また、母親は、外国籍であり、日本語の理解が乏しかったことから、Aさんとのコミュニケーションも少なく、ほとんどネグレクトの状態でもありました。
 こうした生い立ちのAさんにおいては、知的な課題もありました。裁判前、Aさんの知能指数を診断したところ、Aさんは、ほとんど軽度知的障害にあたる境界知能の状態であったことが分かったのです。
 この境界知能というのは、数値上、軽度知的障害ではないものの、知能指数的には、その状態に近いというものであり、臨床的には、軽度知的障害として処理することもあるものです。境界知能は、軽度知的障害とは異なり、見た目には、あまり分からず、周囲からは、「内向的」などと、性格の問題として、問題を理解してもらえないことも多く、社会生活において、孤立出産のように、大きな事態になってからはじめて明らかになることも少なくありません。
 Aさんにおいては、こうした生い立ちや境界知能の特性として、妊娠出産を母親含め、周囲の人に相談することができず、乳児の父親(以下「お父さん」)などに気付いて、何とかして欲しいという受け身の状態でいることが精一杯な状態でした。しかしながら、実際には、Aさんは、誰からも、妊娠の事実に気付いてもらうことができず、結果、行き辺りばったりで、自宅にて孤立出産をしてしまい、結果として、乳児が亡くなってしまったのです。

5 裁判の焦点
 さて、今回のケースでは、Aさんが乳児を水中出産したこと、亡くなった乳児を遺棄したことに争いはなく、裁判では、Aさんが乳児に対し、殺意をもって水中に沈めたのかどうかという点に争いがありました。
 裁判では、この焦点を判断するべく、弁護側からは、赤ちゃんポストや裁判への専門家証人としての出廷などのご活動により、孤立出産の問題に精力的に取り組んでいらっしゃる、熊本県の慈恵病院の蓮田健医師や同県の人吉こころのクリニックの興野康也医師に出廷、証言をいただき、医学的な観点から、Aさんの行動を裏付けていただきました。
 また、今回のケースでは、Aさんの抱えている問題に即して、今後、孤立出産など、悩みを一人で抱え込まず、同じようなことが起きないようにすべく、罪を犯してしまった方への更生支援などを行っている、社会福祉法人UCHIの川瀬悦副理事長にもお越しいただき、Aさんに対する社会復帰後の更生計画を示していただきました。
 更には、Aさんの母親や、当時Aさんの交際相手(乳児のお父さん)にも出廷、証言いただき、、Aさんの生い立ちや、今後は、上記更生支援計画に沿ってAさんの更生を支えていくことなどをお話いただきました。
 裁判では、裁判員の方々や傍聴の方々などがすすり泣く姿もあり、まさに、孤立出産の問題について、少しでも、ご理解いただけたものと思っています。

6 裁判の結果
 こうしたご家族、専門家のご協力の下、2024年7月18日、Aさんに対する判決がありました。
 結果としては、冒頭のとおり、執行猶予判決であり、死体遺棄、殺人の事件では、異例のことであったため、各種ニュースや新聞でも、大きく取り上げていただきました。
 残念ながら、判決では、死体遺棄だけではなく、殺人の点についても認めるものでしたが、一方で、殺人を認めたうえで、執行猶予判決という異例の判断になったのは、まさに、孤立出産の問題をきちんと理解していただいたことによるものです。その点では、全国各地、社会で起きている乳児死体遺棄事件に対し、今後、大きな影響を及ぼす重要な判断であったと確信しています。

7 社会を変えていくためには
 本件で、Aさんが孤立出産に追い込まれた背景には、日本で出生した外国籍の子どもやシングルマザーの問題、境界知能に対する社会的認知や支援の問題、そして孤立出産に追い込まれる女性の問題など、多くの重要な社会問題が重なった結果、不幸な事件が起きてしまいました。逆に言えば、このような問題が社会に十分に認知され、これに対する社会的支援が広がっていれば、本件のような最悪の結果は、どこかで回避することができたといえます。
 そのような想いで、本件をただの事件として終わらせず、社会に伝えたいと、熱心に取材・報道してくれた記者の方々もいて、私たち弁護団もその想いに応えるべく、弁護活動を尽くしてきました。
刑事事件で被告人とされた個人を罰するだけでは、事件の再発を防ぐ社会を作るには不十分です。事件を事件で終わらせず、背景・原因を理解し、多くの方と協力して事件のを再発を防ぐ社会をいかに作っていくかが問われています。

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

学習会・事務所説明会

2024年9月11日 水曜日

学習会・事務所説明会を開催します。

【日時】2024年9月17日(火)18:30~
【場所】川崎合同法律事務所
※ZOOMも併用しますが、できるだけ現地参加をお願いします。

【労働法学習会】
警備員感電死訴訟~息子の死 無駄にしないで~

講師
山口 毅大 弁護士
藤田 温久 弁護士

【お申し込み】
maeda@kawagou.org(担当弁護士:前田ちひろ)
※件名に「学習会申込み」と記載の上、メールにてご連絡ください。
※ZOOM参加希望の方は、申込みの際にその旨も併せてお知らせください。

【アクセス】
・JR「川崎駅」より徒歩約9分
・京浜急行「川崎駅」より徒歩約5分

TEL:044-221-0121

 

市民と共に歩んで55年
これからを共に歩む仲間を待っています

学習会・事務所説明会

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

老後に備えた新しい「家族信託」活用のすすめ(弁護士 川岸卓哉) 

2024年9月11日 水曜日

川岸卓哉弁護士については、こちらをご覧下さい。

kawagishi   

 

現在の日本は高齢化社会を迎えています。親のこれからが心配な方、自分の生活や財産管理が心配になってきた方も多いのではないでしょうか。
成年後見制度なども活用できますが、後見にならない段階での高齢者の生活や財産管理をどうするのかなど問題があります。一方、相続における争いも増えており、遺言作成もお勧めしていますが、認知症が始まってからだと遺言の作成もできないなどこちらも必ずしも万全の制度とは言えません。
そこで、近年、家族信託という新しい方法に注目が集まっています。「家族信託」とは、信託の一種です。信託とは委託者の財産から特定の財産を分離することで財産を管理する制度です。財産を受託者に渡してしまうといっても、完全に受託者の財産になってしまうわけではなく、受託者は信託の目的に従った管理処分しかできません。つまり、信託された財産は、頼んだ人(委託者)からも頼まれた人(受託者)からも切り離された、信託の目的のための独立した財産になります。
家族信託の典型的な活用例としては、配偶者亡き後の高齢者福祉型信託があります。例えば、高齢のAさんは、認知症になった妻の所持金について、事業に失敗した長男がたびたび持ち出すのを見て、自分が死んだ後の妻の生活を心配している。次男はしっかり者だが、すべての財産を次男に相続させるのもやり過ぎだと思う。こんな場面で、活用できる家族信託として、受託者を次男、受益者を妻とする遺言信託とし、妻の死亡による信託終了後は、財産を長男、次男で均等に分けるスキームを組めば、自分が死亡後の配偶者の生活を保障しながら、子の相続争いも防ぐことができます。
信託は、活用次第では、多様な可能性がある制度です。自分の要望をどうやったら実現できるかを弁護士一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

 

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

かわさき市民オンブズマンによる川崎市市民ミュージアム住民訴訟(弁護士 渡辺登代美)

2024年4月4日 木曜日

 渡辺登代美弁護士については、こちらから

watanabewatanabe

 

1 川崎市市民ミュージアム
 川崎市市民ミュージアムは、「都市と人間」を基本テーマに掲げ、1988年11月に開館した複合文化施設である。川崎市の成り立ちと歩みを考古、歴史、民俗などの豊富な資料で紹介する博物館と、市ゆかりの作品のみならず、都市に集まる人々の刺激から生み出されたポスター、写真、漫画、映画、ビデオなど、近現代の表現を中心に紹介する美術館の2つからなり、その両面から収集された多彩なコレクションと独自性のある企画を館の特色とした。とくに漫画・写真分野に関しては、日本の公立施設でもっとも早く収集・展示をスタートした美術館として発展してきた。

2 市民ミュージアムの収蔵品
 収蔵品には、以下のとおり、市民ミュージアムにしかない貴重なものが多数含まれている。

① 文化勲章受章者の安田靫彦の「草薙の剣」(8千万円)、ロートレック等1890年代以降の欧州のポスター925点(4億9千万円)、企業のポスター600点余り(1260万円)

② 寄贈された「法隆寺観音像の下絵」や「大観先生」の試作等150点。江戸期の肉筆画帳や諷刺漫画家、清水崑等の原画、貴重な雑誌。藤原鎌足の筆など著名な書跡(国宝級)。膨大な数の昔の民具や生活道具等2度と収集できない民俗資料等

③ 寄託されている岡本太郎の母、岡本かの子の直筆原稿、父、一平の肉筆画等。写真界の芥川賞と言われる朝日新聞社主催の木村伊兵衛賞の受賞作品の写真全部(寄託)。ソビエト時代のドキュメンタリー映画(エイゼンシュタインの「メキシコ万歳」も)、日本映画美術監督協会の創立者の一人、黒澤明監督の美術を担当した久保一雄のスケッチ、映画セットの原画

3 指定管理者制度の導入

 市民ミュージアムの入館者は、開館2年目の1989年には30万人を超えたが、2000年には8万人台と大幅に減少し、2004年2月には、包括外部監査から、「民間であれば倒産状態」と指摘されていた。
 このような状況の下、2017年、「民間事業者としての柔軟な発想及び独創性、さらにはこれまで蓄積してきた研究成果を引き継ぎ、サービスの向上や魅力ある企画の実現など、事業の充実と新たな来館者の創出に向けて創意工夫するとともに、効率的な運営に努めること」などが期待されて、指定管理者制度が導入された。
 指定管理者に選定されたアクティオ・東急コミュニティ共同事業体は、大規模な博物館等の運営経験がなく、本社の管理職は、収蔵品を見ることさえしなかった。アクティオの関心は、イベントと外部の企画による展示数及び集客数の増加にしかなく、収蔵品の活用、維持管理、水害等に対する減災には興味がなかった。
 アクティオは、学芸員の給与を7割減額し、大半の学芸員が辞めていくままにしたばかりか、これに抗した副館長を雇止めにした(副館長は提訴し、勝利的和解解決を勝ち取った。辞職した学芸員の中には、他都市の博物館の館長や大学教授に就任した者もいた。

4 かわさき市民オンブズマンの問題意識
 かわさき市民オンブズマンは、専門職である学芸員不在の状況を作出する指定管理者制度に問題があると考え、果たして指定管理者に適正な収蔵品の管理ができているのかどうかを検証すべく、情報公開請求によって収蔵品及び保管場所のリスト等の公開を求めた。
 上記元副館長の協力を得て、収蔵品リスト等を検討していったところ、様々な不備が発見され、それらについて、再度川崎市に対して質問状を出してやり取りしていたところ、次の水没事故が発生した。

5 収蔵品の水没事故
 市民ミュージアムが設置されていたのは、多摩川の旧河道で、川崎市が策定した2018年版ハザードマップでは、想定浸水深5~10mとされていた。そのような浸水が予想されるエリアにあって、収蔵庫は、何ら防水対策を施されることなく、地下に設置されていた。
 2019年10月12日、1958年の狩野川台風に匹敵すると予報されていた台風19号により、市民ミュージアムの地下1階に推定16,000㎥の水が流入し、収蔵室の床上1.95m~2.55mが浸水した。
 このため、収蔵品約26万点のうち、22.9万点が水没するという壊滅的な被害を蒙った。川崎市によれば、被害額は、収蔵品42億円、設備30億円と推計されているが、発表時に被害の全容が把握されていたわけではない。
 凄まじい被害を目の当たりにし、1997年のかわさき市民オンブズマン設立以来代表幹事を務めてきた故篠原義仁弁護士が中心となって、事故の責任を問う裁判を提起した。

6 損害賠償請求住民訴訟
 住民訴訟では、川崎市および関係職員等には、そもそも収蔵品の地下収蔵をすべきでなかったこと、地下収蔵をするなら浸水対策をすべきであったこと、台風が近づくときには収蔵品の避難移動をすべきであったこと、降雨時には土のうの設置等の応急措置をすべきであったのにしなかったことの管理上の過失があるとして、川崎市に対し、管理に対して責任を持つ、①市長②担当局長③担当課長④指定管理者の4者に対して損害賠償請求を行うべきとの請求をした。
 台風の襲来に際し、地域住民は、玄関の前に土のうを積む、1階の貴重品を2階に上げる、地下駐車場の車を移動させるなどの被害予防措置をとった。ところが市民ミュージアムでは、関係職員等が収蔵品の保全について検討した形跡は全くない。市も指定管理者も、入館者の増加ばかりを追い求め、市民の重要な文化財の保管を託されているという本来の重要な任務を疎かにしていた。経験のある学芸員には、自分たちが集め、展示している収蔵品に対する「愛」がある。指定管理者には、それがない。
 川崎市市民ミュージアムには、学芸員、総務、事務職等、常勤職員が約31名おり、設備として超大型エレベーターが2台、超大型台車4台、中型台車6台常備されている。従って、職員を早期から現場配置し、エレベーター等の機材を利用して、収蔵品を地下から上層階へ移動することが可能であった。セーヌ川沿いにあるルーブル美術館やオルセー美術館では、洪水の危険がある場合、事前に収蔵品を上階や他の場所に避難させている。
 裁判所は、現地進行協議を行なうなど、原告の主張を丁寧に聞いたものの、2024年2月28日の判決では、洪水のハザードマップはあるが当時は内水氾濫のハザードマップがまだなかったとして予見可能性を否定した。
 しかし、当該市民ミュージアムが低湿地にあり、水害の危険が予想されたのは、内水でも外水でも同じである。裁判所は水害の危険を内水氾濫の予見可能性という意味に狭く捉え、行政の責任を不当に狭くしている。
 2024年3月18日、かわさき市民オンブズマンは控訴を行なった。

 

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

77期修習生他 事務所説明会のお知らせ

2024年1月9日 火曜日

●事務所説明会●

2024年1月23日(火) 18時~

 事務所説明会にご参加希望の方は、長谷川(hasegawa☆kawagou.org)までメール、または事務所あてに電話(044-211-0121)の上お申し込みください。
 メールの際は、「☆」を「@」に変えて送信いただきますようお願いいたします。

 懇親会を予定しています。皆様のご参加お待ちしております。

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

<77期弁護士の募集を開始しました>

2023年11月16日 木曜日

77期の弁護士採用のため、学習会・説明会を開催します。

詳細はこちらをご覧下さい。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。

募集要項・応募方法はこちら⇒<採用情報>

採用の決定は、随時行う為、決まり次第応募を締め切りますので、ご了承下さい。

2023Jhoumon2023Jhoumon

 

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

知っておくと安心!初回の調停で気をつけること(弁護士 川口彩子) 

2023年11月8日 水曜日

川口彩子弁護士については、こちらをご覧下さい。

kawaguchi   

 

はじめての調停
 調停の申立てをすると、1か月後くらいに期日が設定され、裁判所に行く日が決まります。弁護士がついている場合も、ついていない場合も緊張しますよね。
 今回は、初回の調停のイメージをご紹介します。

 

服装
 ふだんの服装で大丈夫です。普段着でもスーツでも可です。スーツを着用していないからといって不利にみられることはありません。

 

待合室
 待合室は、申立人待合室と相手方待合室に分かれており、それぞれ離れたところにあります。ただ、同じフロアにあることも多いので、相手と顔を合わせたくない場合は時間をずらすなどして早めに待合室に入るようにするとよいでしょう。
 呼出時間になると調停委員が呼びにきます。最近は個人情報保護のため、事件番号で呼ばれることが多いです。あらかじめ自分の事件番号を確認しておきましょう。

 

調停委員会
 男女の調停委員と裁判官の3人が、調停委員会を構成し、あなたの調停を担当します。部屋にいるのは調停委員だけですが、裁判官も事前事後に報告を受け、適宜、調停委員と相談しながら案件を進めていきます。
 調停委員は、裁判官ではありません。研修を受けた民間の方が調停委員を務めています。法律上調停委員は40歳以上と定められていますが、60代~70代の方が多いイメージです。家事調停の場合は、男性と女性が1人ずつ調停委員として担当します。原則として、案件が終わるまで同じ調停委員が担当します。

 

調停室
 待合室で呼ばれると、調停委員が調停室まで案内してくれます。代理人として弁護士がついている場合は一緒に調停室に入れますが、弁護士以外は調停室に一緒に入ることはできません。(通訳が必要な事件の通訳さんは別)
 調停委員と向かい合って座ると、最初に本人確認をされることが多いです。免許証等を持参しておくと安心です。
 本人確認が終わると、調停委員の自己紹介、調停のガイダンスにうつります。ガイダンスでは、調停委員には守秘義務があること、当事者も録音録画等は禁止されていること、調停の仕組みや話し合いがまとまった場合などについての説明があります。

 

調停のしくみ
 調停では、申立人と相手方とが同じ日に呼ばれますが、原則として顔を合わせることはありません。初回の調停では、まず申立人のほうから話を聞かれます。20分~30分で交代となり、元の待合室で待っていてくださいと言われます。申立人が待合室に戻ると、相手方が調停委員から調停室に呼ばれます。そこで、調停委員の方から、適宜、申立人の主張を相手方に伝え、相手方の意見を聞かれます。相手方の方も20~30分で交代となり、元の待合室に戻るよう言われます。その後、再度、申立人が呼ばれ、相手方の主張を教えてもらいます。
 このように、調停では伝言ゲームのように話が進みます。調停で相手に会えるかもと期待している方もいらっしゃるかもしれませんが、上記のとおり原則として、相手と直接話をする場面はありません。
 初回の調停ではそれぞれ平等に20分~30分かけて話を聞いてくれますが、回数を重ねてだんだん調停が煮詰まってくると、どちらか一方当事者の話が長くなることもあります。解決のために必要な時間ですので、ご了承ください。

 

調停のときに注意すること

(1)自分ばかり話さない
 上記のとおり、調停では20分~30分をめどに交代し、元の待合室に戻らなければなりません。この時間でお話しできることは限られています。家事事件だと、どうしてもいろいろな経緯がありますから、説明しようとすると長くなるのはやむを得ないことではあります。ですが、それをできるだけコンパクトにまとめ、調停委員とできるだけコミュニケーションを取ることが重要になります。調停委員も時間を意識しながら調停を運営しています。こちらが話したい話ばかりしていると、調停委員が聞きたいことが時間内に聞けずにイライラしてしまいます。調停委員からの質問に端的に答えていけば、調停委員として関心をもったこと、重要と考えている点をたくさん質問してくれて、理解を深めてもらえます。ぜひ、調停の際は、質問に端的に答えることを心がけてください。

(2)調停委員は相手の味方というわけではない
 自分のターンが終わって相手のターンとなり、再度調停室に呼ばれます。そのときに、調停委員は相手が話した内容を伝えてくれます。
ここで陥りがちなのは、調停委員から「相手は〇〇と言っていましたよ」と言われると、まるで調停委員が相手の言い分を信じてしまい、相手の側についてしまったかのように感じてしまうことです。しかし調停委員は、ただ単に相手が言ったことを伝えているだけなのです。悪気はありませんから、変に落ち込んだり、疑心暗鬼にならないようにしましょう。
また、調停委員が伝えてくれる相手の言い分に対して、逐一その場で反論をしてしまうと話が脱線したり、進まなくなってしまいます。調停委員が相手の言い分を伝えているときは、まずは黙って全部聞き、話がひととおり終わったところで反論するようにしましょう。

初回調停の終わり
 調停の初回は、相手の言い分を把握したくらいのところで終わります。本格的なすり合わせは次回以降になることが多いです。あまり進まなかったと感じるかもしれませんが、まずは第一歩を踏み出せたことが重要です。
 次回の調停は、ひと月からひと月半後くらいになります。次回の日程は、調停の日に全員の予定をすり合わせて決まります。弁護士がついている場合は、今回の調停の結果をふまえ、よく打ち合わせをして次回に臨みましょう。

 

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

追突事故の後遺障害につき、後遺障害等級12級該当として解決した事例(弁護士 小林展大)

2023年10月3日 火曜日

 小林展大弁護士については、下記をご覧下さい。

kobayashi

 

1 受任に至る経緯
 依頼者は、自動車を運転して一時停止している時に、後方から追突される交通事故(以下「本件事故」といいます。)に遭いました。依頼者は、すぐに病院に行って診察、治療を受け、その後も継続して通院し、治療を受けていました。そのような経過の中、依頼者から相談を受け、受任することとなりました。

2 受任後から後遺障害等級の認定の申請までの動き
 依頼者に交通事故証明を取得してもらうと、人身事故になっていましたので、警察署及び検察庁に問い合わせをして、刑事記録の一部を謄写しました。また、依頼者の傷害は、いわゆるむち打ち症でしたので、被害者請求により後遺障害等級の認定の申請を行うこととし、後遺障害診断書等の必要書類を取得しました。
 必要書類の準備ができたところで、後遺障害等級の認定の申請をしました。

3 異議申し立て
 しかし、結果は後遺障害等級非該当でした。
 そこで、依頼者と協議し、この結果に対して、異議申し立てをすることとしました。依頼者には通院していた医療機関からカルテ開示をしてもらい、協力してもらえる医師(以下「協力医」といいます。)を探しました。
 そして、協力医が見つかり、後遺障害診断書、意見書等の書類を作成してもらいました。このような追加資料を準備した上で、異議申し立てを行いました。
  その結果、依頼者は後遺障害等級14級に認定されました。

4 さらなる異議申し立て
 しかしながら、従前から依頼者のカルテ一式等の資料を検討していると、依頼者については後遺障害等級12級に該当する可能性があるのではないかと考えられました。
 そこで、さらに追加の医証を準備した上で、さらに異議申し立てをしました。
 しかし、その結果は、前回の異議申し立てにより認定された後遺障害等級14級のままでした。

5 訴訟提起
 ここで、2回の異議申し立ての結果に記載された理由、依頼者に取得していただいた診療記録一式、謄写した刑事記録、協力医から今後得られそうな協力等を踏まえて、依頼者とその後の方針について協議しました。
 訴訟であれば、被害者請求により認定された後遺障害等級に拘束されるわけではないものの、一般的にむち打ち症で後遺障害等級12級に認定されることは少ないこと等も踏まえて、依頼者と協議した結果、訴訟提起することとしました。
 訴訟では、後遺障害等級については、証拠として提出した診療記録一式、CT・MRI等の画像資料、医師意見書、後遺障害診断書等をもとに立証していきました。加えて、医療過誤事件と同様に医学文献の収集につとめ、医学文献も証拠として提出していきました。
 また、損害については、逸失利益につき、いくつか対応が必要な問題点があったことから、その都度、依頼者に証拠資料の有無を確認し、援用できそうな証拠資料の準備をお願いして、立証につとめました。
 そして、裁判所の考えが開示され、後遺障害等級については12級該当を認めてもらうことができました。その後は、裁判所の考えをもとに、少し交渉をした上で、解決に至ることができました。

6 最後に
 本件は、むち打ち症につき、当初は後遺障害等級非該当との判断がされたものの、異議申し立てにより後遺障害等級14級該当が認められ、訴訟では後遺障害等級12級該当が認められて解決に至ったものです。
 診療記録に、依頼者の主張を裏付ける記載があっただけでなく、協力医の適切なサポートがあったこと、依頼者が迅速に証拠資料の収集、確保につとめたことも良い結果につながった要因ではないかと考えられます。

以上

 

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

77期修習生他 事務所訪問 & 学習会企画

2023年9月26日 火曜日

●事務所訪問 & 学習会企画●

➀ 2023年11月24日(金) 18:30-20:00

学習会テーマ
『上司からの性暴力に対する損害賠償請求事件』
講師 川口彩子弁護士(55期)

 

② 2023年12月1日(金) 18:30-20:00

学習会テーマ
『非正規労働者の雇用を守る闘いの歴史と展望』
講師 藤田温久弁護士(42期)  川岸卓哉弁護士(64期)

 

③ 2023年12月15日(金) 18:30-20:00

学習会テーマ
『若手弁護士の子どもの権利とのかかわり』
講師 畑 福生弁護士(70期)

 事務所訪問&学習会企画にご参加の方は、長谷川(hasegawa☆kawagou.org)までメール、または事務所あてに電話(044-211-0121)の上お申し込みください。
 メールの際は、「☆」を「@」に変えて送信いただきますようお願いいたします。

 

 いずれも学習会後、懇親会を予定しています。皆様のご参加お待ちしております。

事務所訪問2023

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

カテゴリ一覧

まずはお電話でお話してみませんか

まずはお電話でお話してみませんか

まずはお電話で
お話してみませんか