ケーススタディー
マッチングアプリで知り合った人にお金をだまし取られた!お金を取り戻したい!どうしたらいいの!?(弁護士 長谷川拓也)
2026年8月10日 月曜日
今回は、
【解決事例】マッチングアプリで知り合った女性に数百万円をだまし取られた事案で、刑事告訴・示談交渉を経て被害金全額と弁護士費用の一部を回収した事例
のご紹介です。
◯ご相談内容
依頼者の男性は、マッチングアプリで知り合った女性と親しくなり、将来を見据えた真剣な交際をしていました。
そうした中で、女性は、依頼者に対し、「難病を患っており、高額な治療費が必要である」「入院のため学費を支払うことができず、このままでは大学を退学しなければならない」「大学を辞めれば将来の夢や希望している職業を諦めなければならない」などと繰り返し説明し、学費や生活費の援助を求めてきました。
依頼者は、信頼していた女性の話を信じ、「夢を諦めてほしくない」「力になりたい」という思いから、複数回にわたり送金を行い、その総額は数百万円に及びました。
しかし、その後、依頼者は、女性とは突然連絡が取れなくなり、女性が説明していた病気や大学生活などの重要な事実の多くが虚偽である可能性がうかがわれました。
依頼者は、直ちに警察へ相談しましたが、「金銭の貸し借りであれば民事上の問題ではないか」との説明を受け、民事不介入を盾に、十分な対応を受けることができませんでした。
一方で、依頼者は「自分がだまされたことが恥ずかしい」「自分にも落ち度があったのではないか」と強い自責の念を抱いており、誰にも相談できず、一人で悩み続けていました。
そのような状況の中で、このたび、ご縁があり、当事務所へご相談をいただきました。
◯弁護士の対応
まず、依頼者から詳細な事情を丁寧に伺い、LINE等のやり取りや送金記録などの証拠を一つひとつ確認しました。
恋愛感情を利用して金銭をだまし取る、いわゆるロマンス詐欺や恋愛詐欺では、相手方が偽名や匿名でマッチングアプリやSNSを利用していることが多く、実際の氏名や住所が分からないため、責任追及そのものが困難なケースも少なくありません。
しかし、本件では、幸い、依頼者が女性の氏名と電話番号を把握していたため、それらの情報を基に住民票等の調査を行い、現在の所在を確認しました。
その結果、女性は依頼者と連絡を絶った後に、住所を変更し、さらに姓も変更していました。その理由は明らかではありませんが、責任追及を免れようとしていることがうかがわれる状況でした。
また、依頼者からうかがった女性が在籍しているという大学に対し、女性の在籍確認の照会をしたところ、やはり、女性が在籍している事実は確認できませんでした。
そこで、当職は、収集した資料をもとに、女性に対し、内容証明郵便により返還請求を行いました。
しかし、女性は、内容証明郵便を無視し、何ら回答を行いませんでした。
もっとも、事前に、このような対応も想定していたため、当初から、民事手続だけではなく刑事手続も視野に入れて準備を進めていました。
具体的には、金銭の交付に至る経緯などの証拠を法的観点から整理・分析し、詐欺罪の成立を基礎付ける資料を整えたうえで、刑事告訴を行いました。
冒頭のとおり、依頼者が最初に警察へ相談した際には、十分な対応が得られませんでしたが、証拠を体系的に整理し、事案の全体像を明らかにした資料を提出した結果、警察は捜査を開始することとなりました。
刑事告訴後も、依頼者は、何度も警察で事情聴取を受けることになりました。
もっとも、警察官から求められる説明や資料は、専門的であり、「何を説明すべきか」「どの証拠が重要なのか」を被害者自身が理解することは容易ではありません。
また、事情聴取では、限られた時間の中で話が進むため、警察官から十分な説明を受けられないことも少なくありません。
そこで当職は、警察がどの点を重視しているのかを法的観点から分析し、依頼者に分かりやすく説明するとともに、事情聴取に向けた助言や追加証拠の収集・整理を行いました。
◯解決結果
刑事告訴後、女性は、依頼者の件とは別の同種詐欺事件で起訴され、その後、依頼者の件でも起訴されました。
起訴後には、女性に代理人弁護士が選任されました。
代理人弁護士からは、依頼者が支払った金額全額を被害弁償として返還したいとの提案がありました。
しかし、依頼者は、だまし取られた金銭を取り戻すために弁護士へ依頼し、各種調査に始まり、内容証明郵便の発送、刑事告訴など、多大な時間と費用を要していました。
そこで当職は、単に当初支払った金額を返還するだけでは依頼者の損害は回復されないと主張し、女性の代理人弁護士との間で粘り強く示談交渉を重ねました。
その結果、女性は、当方の主張を受け入れ、依頼者は、だまし取られた数百万円全額の返還を受けることに加え、その回収のために要した弁護士費用等についても一部補填を受ける内容で示談が成立しました。
依頼者は経済的な損害を大きく回復できただけでなく、「泣き寝入りせず最後まで戦ってよかった」と大変安心された様子でした。
◯弁護士からのコメント
マッチングアプリやSNSを利用した恋愛感情につけ込む詐欺は、近年急増しています。
このような事件では、「だまされた自分が悪いのではないか」と自分を責めてしまい、誰にも相談できない方が少なくありません。また、警察へ相談しても、「民事上の問題ではないか」と判断され、十分な対応がなされないケースもあります。
しかし、相手方が最初から虚偽の事実を述べ、金銭をだまし取る意思を有していたのであれば、民事上の返還請求だけでなく、刑事上の責任追及が可能となる場合があります。
もっとも、そのためには、詐欺罪等の犯罪の成立を基礎付ける証拠を適切に収集・整理し、事案を法的な観点から構成していくことが重要です。
また、相手方の所在調査や証拠の収集、内容証明郵便の送付、刑事告訴、示談交渉など、それぞれの段階で適切な対応が求められます。
もちろん、すべての事案で本件と同様の結果が得られるわけではありません。相手方の所在や資力、証拠関係などによっては回収が困難となるケースもあります。
しかし、早い段階で適切な対応を行うことによって、解決の可能性を大きく高めることができる場合も少なくありません。
当事務所では、マッチングアプリやSNSを利用したロマンス詐欺、恋愛詐欺についても、民事・刑事の双方の観点から最適な解決方法を検討し、被害回復に向けて全力でサポートしています。
「警察に相談したが取り合ってもらえなかった」「相手と連絡が取れず、どうしたらいいか分からない」「だまされたかもしれないが、誰にも相談できない」とお悩みの方は、一人で抱え込まず、ぜひ一度当事務所へご相談ください。
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