Q&A
Q 全部でいくらかかりますか?
2018年7月15日 日曜日
A
一般的に弁護士費用には事件の依頼のときにお支払いいただく着手金と、事件が終わったときにその成果に応じてお支払いいただく報酬金があります。
金銭請求の場合は、相手に請求する額を基準に着手金を算定し、相手から得られた金額に応じて報酬金を算定することになります。ですので、その事件事件によってかかる費用はかわってきます。
一般的な着手金の額、報酬金の額については、別表をご参照ください。また、コピー代、通信費、交通費、住民票等の書類取寄せにかかる実費については、弁護士費用のほかに別途お支払いいただいています。
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Q 相続の承認・放棄-相続人ですが、相続したくない場合は、どうしたら良いですか。
2018年7月11日 水曜日
A
相続財産には、不動産や預金などの積極財産だけでなく、借金のような債務の消極財産もあります。 また、相続財産が積極財産だけであっても、他の相続人に相続分を譲りたい等、相続を拒む相続人もいます。そのため、民法は、相続の承認や放棄の制度によって、相続人が相続の効果を受諾するか、拒否するかを選択する自由を認めています。
相続の承認・放棄は、原則として、相続人が相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければなりません。3か月の期間の経過により、放棄や限定承認(相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の残した債務や遺贈について責任を負うという条件付きで相続を承認するというもの)の選択権は失われ、単純承認したものとみなされます。
熟慮期間の起算点は、自己のために相続の開始があったことを知った時、原則として、各相続人が被相続人の死亡を知ったときです。なお、相続放棄、限定承認は、家庭裁判所に対して申立することになります。
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Q 再分割-相続権があるのに、他の相続人が、知らないところで、遺産分割協議を成立させてしまっている場合、どうしたら良いですか。
2018年7月1日 日曜日
A
戸籍上明らかになっている共同相続人が、一部の相続人を除いて勝手に遺産分割協議をしてしまった場合には、そのような遺産分割協議は無効です。したがって、他の共同相続人に対して、いつでも再分割を求めることができます。
ただし、戸籍上明らかな相続人でない場合(認知されていない子や、実子であるにもかかわらず、戸籍上他人の子として届けられている場合)でも再分割を求めることができます。しかし、前提として、自ら相続権があることを証明する必要があります(相続回復請求権)。このような相続人が、相続権を害されたことを知ったときから5年以上経過したときは、他の相続人は、再分割の請求が時効消滅したと主張できるので、5年以内に法的手続をとるように、注意しましょう。
また、相続の時から、20年以上経過したときは、その間、自ら相続権があることを知らなくても、再分割の権利は時効で消滅することになります。
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協議離婚時の公正証書の活用について(弁護士 川口彩子)
2018年6月29日 金曜日
合意書をつくったはいいけれど…
「約束した養育費を元夫が支払ってくれない」というご相談を受けることがあります。口約束の場合もありますが,「念書」「覚書き」「合意書」といった書類をお持ちになっている方もいらっしゃいます。そのとき確かに約束しているわけですから,特段の事情がなければ,その書面は有効です。
なんと二度手間!
ただし,当事者間で作成した書面しかない場合,支払いの請求をすることはできますが,相手が応じてくれないと,次のステップは裁判ないし調停の申立てということになってしまいます。つまり,裁判所でもう一度,強い効力のある書面を作り直さなければならないということです。
公正証書とは
この手間を回避するのに活用されているのが各地にある公証役場で作成する公正証書です。公正証書は,元裁判官,元検察官など,法務大臣が任命する公証人が作成する公文書です。当事者間の合意を「契約書」という形で,公文書にしてもらうのです。
公正証書で養育費や慰謝料,財産分与などの支払いを約束する場合,支払う側に「強制執行認諾文言」という条項が入れられます。つまり,決められた期限までに支払いがなければ,ただちに強制執行を受けても異議ありませんという言葉です。この「強制執行認諾文言」があると,あらためて裁判や調停をしなくても,不払いがあった場合にただちに強制執行に移ることが可能です。お金の支払いの約束がある場合は,あらかじめ公正証書にしておくことをお勧めします。
公正証書作成までの段取り
ここで注意が必要なのは,公証人は,当事者の間に入って調整をしてくれる人ではないということです。あくまでも,公正証書にしてもらう内容は自分たちで話し合って決める必要があります。内容が固まったら,公証役場に連絡をして,公証人に合意内容をお伝えしてください。後日,公証人から公正証書の案文が届きますので,当事者双方が事前に確認し,修正がある場合は,修正を公証人に依頼します。公正証書の内容が確定したら,当日,当事者双方が公証役場に行き,同席の下で,内容の確認と,それぞれの署名押印が行われます。
委任状について
どうしても相手方当事者と同席したくない,同席できないという場合,代理人を立てることもできます。その場合,強い効力を持つ書面を作成することになりますので,通常の委任状では足りません。どのような内容の公正証書を作るかといった内容面まで踏み込んだ委任状が必要となりますので,公証役場との事前協議が必要となります。
不本意な公正証書を作らないために
先ほど述べたとおり,公正証書にする内容は自分たちで決めなければなりません。離婚にあたって,何をどこまで請求できるのか,養育費や慰謝料の基準,財産分与の考え方などを事前に知っておくことが重要です。相手方と話し合う前,あるいは話合いの途中など,内容を固める前にご相談ください。
また,弁護士が代理人となって,相手方と交渉を行う場合もあります。どの段階で弁護士が入るのか,どのような方法で事件を解決に導くのかについては,具体的なご事情をお聞きして,最善の方法をアドバイスします。弁護士が代理人となって,相手方と交渉を行い,公正証書を作成する場合には,公証人とのやり取りの窓口にもなりますので,安心しておまかせください。
以上
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Q 遺産分割-相続人の間で、自由に遺産分割を協議したいが、どうしたら良いですか。
2018年6月21日 木曜日
A
被相続人は、遺言で共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができます(指定相続分)。まず、遺言があれば、その遺言に従って、遺産分割がなされるのが原則です(遺言による分割)。
遺言がない場合には、民法により相続人間の法定相続分が定められていますので、法定相続分を目安として、協議による遺産分割することになります(協議による分割)。遺産分割の協議のためには、相続人全員が集まって、話し合い、全員の合意を得る必要があります。1人でも、 遺産分割協議に反対する相続人がいれば、法的手段によって、相続分を決める必要があります。
法的手段として、調停による分割と審判による分割の二種類があります。相続人間の合意によって成立するのが調停、審判官(裁判官)の審判によって成立するのが、審判です。当事者は、どちらの申立てをすることも可能ですが、先に審判を申し立てた場合でも、裁判所の判断で、調停に付されるのが一般的です。
遺産分割調停においては、相続人全員の合意があれば、法定相続分にこだわらない分割方法でも有効です。たとえば、被相続人の事業を継ぐ相続人に、多くの遺産を与えたりすることや、相続開始前から、遺産である不動産に居住しているなどの利用関係がある場合には、それを尊重した分割方法がとられることはよくあることです。しかし、調停をスムーズに進めるためには、法定相続分を基準とした分割を念頭に話し合うべきでしょう。
遺産分割審判においても、法定相続分を原則として、感情的にならずに、冷静に相続人の間で話し合って、合意解決に努めるべきですが、寄与分の申立てがなされたり、特別受益の有無・価額などをめぐって、長期の紛争に至ることもままありますので、注意が必要です。
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Q 寄与分、特別受益-相続分の割合が増えたり、減ったりする場合があるのですか。
2018年6月11日 月曜日
A
被相続人の生前に同居や介護などをし、相続財産の維持や増加に貢献した相続人に対し、その貢献を評価して、貢献に相当する額の財産を得ることを認める制度を寄与分といいます。寄与分が認められれば、その相続人の相続分の割合が増えます。
共同相続人中に、亡くなった被相続人から遺言で贈与を受けたり、婚姻、養子縁組のためあるいは生計の資本として生前に贈与を受けた相続人を、特別受益者といいます。その相続人は、相続分の前渡しを受けたものとして、相続人間の公平を図るため、遺産分割の際にその相続分を減らされます。
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Q 相続人の範囲、相続遺産はどのような割合で相続人に分配されるのですか。
2018年6月1日 金曜日
A
相続人の範囲、相続分の割合は民法の規定によって、決まっています。
1 被相続人の配偶者(夫、妻)は、常に相続人になります。
ただし、法律上の婚姻関係があることが必要(婚姻届を提出していること)なので、内縁の配偶者は含まれません。配偶者の相続する割合は、
【1】 子と相続する場合、2分の1
【2】直系尊属(父母、祖父母)と相続する場合、3分の2
【3】兄弟姉妹と相続する場合、4分の3
【4】他の相続人がいない場合、全部
となります。
2 被相続人の子も、常に相続人です。
実子と養子、氏(名字)、戸籍の異同は問題になりません。子の相続する割合は、
【1】被相続人の配偶者と相続する場合、2分の1
【2】被相続人の配偶者がいない場合、全部
となります。被相続人の子が死亡している場合でも、直系卑属(孫、ひ孫)がいる場合には、死亡した子に代わって相続することになります(代襲相続といいます)。子が複数いる場合には、原則として、相続分を子の数で平等に分けることになります。
3 被相続人の直系尊属は、被相続人の子がおらず、代襲相続人もない場合に、相続人となります。
直系尊属の相続する割合は、
【1】被相続人の配偶者がいる場合、3分の1
【2】被相続人の配偶者がいない場合、全部
となります。
4 被相続人に子及び代襲相続人がおらず、直系尊属もいない場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
兄弟姉妹の相続する割合は、
【1】被相続人の配偶者がいる場合、4分の1
【2】被相続人の配偶者がいない場合、全部
となります。兄弟姉妹が複数いる場合には、兄弟姉妹の数で、相続分を平等に分けることになります。すでに死亡している兄弟姉妹については、その子が代襲相続することになります。
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Q 相続とは、どのように発生するのですか。
2018年5月31日 木曜日
A
相続とは、自然人の死亡後に、その人が有した遺産(借金などの債務も含む)を、特定の人に承継させることをいいます。 亡くなった人を「被相続人」、権利義務を承継する人を「相続人」といいます。相続は、自然人の死亡による財産の承継ですから、会社などの法人に相続は発生しません。
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ご存知ですか?無期転換ルール(労働契約法18条)弁護士 山口毅大
2017年12月28日 木曜日
1 無期転換ルールとは?
2012年8月,同一の使用者との間で締結された2つ以上の期間の定めがある労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超える労働者が,使用者に対して,期間の定めのない労働契約に転換することを申込むと期間の定めのない契約に転換するという「無期転換ルール」が成立しました。
この無期転換ルールが作られたのは,合理的な理由がないのに,有期労働契約社員が正社員よりも,不利な労働条件や不安定な雇用のもとで,雇用されている現状を改善する点にあります。
この無期転換ルールは,2013年4月1日以後を契約期間の初日とする有期労働契約について適用されます。
2 要件(無期転換ルールが適用されるための条件)
(1)無期労働契約への転換申込権が発生する要件は,次の通りです。
① 同一の使用者との間の2以上の有期労働契約が締結されたこと
② 2以上の有期労働契約を通算した雇用期間が5年を超えたこと
使用者との間で締結された1の有期労働契約の契約期間が満了した日と,使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まない期間が6か月以上であるときは,当該期間前に満了した有期労働契約の契約期間は,通算契約期間に算入しないクーリング期間があります。なお,無契約期間の直前に満了した1の有期労働契約の契約期間が1年に満たない場合,当該契約期間に2分の1を乗じて得た数に1月未満の端数がない場合には,その月数を,1月未満の端数がある場合には,その端数を切り上げた月数をクーリング期間の長さとすると定められています。
もっとも,研究開発力強化法,大学教員等任期法では,大学等及び研究開発法人における有期労働契約の研究者・技術者・教員については,10年越えとする例外規定があります。
また,専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する
特別措置法では,5年を超える一定の期間内に完了することが予定される業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識,技術または経験を有する有期契約労働者は,業務完了までの期間あるいは期間が10年を超える場合には10年間は,無期転換申込権が発生しません。更に,60歳以上の定年に達した後に同一の事業主または高年齢者雇用安定法上の特殊関係事業主に引き続き雇用される者は,同一事業主または特殊関係事業主に継続雇用されている期間は無期転換申込権の発生するための通算契約期間に算入しないとされています。
(2)無期転換申込権が発生しただけでは,無期契約に転換しません。労働者が無期転換申込権を行使する必要があります。その要件は,次のとおりです。
③ 現に締結している有期労働契約の契約期間の満了までに無期転換申込権を行使すること
もっとも,最初の有期労働契約の期間内にこの申し込みをしなくとも,その後,更新された場合には,更新された核契約の期間内に,そのつど,転換申込が可能です。
3 効果(無期労働契約の成立)
無期転換申込権を行使した効果として,契約期間満了日の翌日を就労開始日とする無期労働契約が成立します。
期間以外の労働条件は,有期労働契約中の労働条件のままですが,別段の定めがあれば,それによります。
4 今後の対応について
今後,使用者が,5年到来の直前に,更新拒絶をしたり,更新限度を設定することが考えられます。ですが,このような場合,そもそも,雇用継続への合理的な期待が生じていると判断されたり,そもそも,無期転換ルールの適用を阻止するための脱法行為とされ,無効となる可能性があります。
ですので,使用者から5年到来の直前に更新拒絶されたり,更新限度を設定された場合には,すぐにご相談ください。
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初動が大事な交通事故 -弁護士 山口毅大
2017年12月14日 木曜日
突然の交通事故に遭われた被害者の方は,事故後,どのように損害賠償請求をすればいいのかわからないまま,過ごされてしまうこともあるかと思います。
ですが,交通事故の態様によっては,被害者の方にも,不注意があったとして,過失割合が問題となることがあります。この過失割合によっては,損害賠償額が減ってしまうこともあります。また,交通事故の態様が明らかではなく,この過失割合が争われ,訴訟になることもあります。
この交通事故の態様を明らかにする方法としては,刑事記録,自動車や自転車等の損傷状況等が考えられます。
交通事故に遭った際に,軽い怪我であったり,事故後しばらくして痛み出した場合,物損事故扱いされていることがあります。その場合,警察において,事故についての実況見分がなされず,実況見分調書が作成されません。そうすると,刑事記録では,事故態様がわからないということになりかねません。
ですので,怪我をしているのに,物損事故扱いされている場合には,速やかに警察に連絡し,診断書等を取った上で,人身事故扱いにしてもらう必要があります。
長期間,物損扱いのままにすると,交通事故と怪我との因果関係が不明であるとして,人身事故扱いにしてもらえない場合もありますので,お早めに対応されることをお勧めします。
その他,人身事故扱いになった場合,治療費,逸失利益,慰謝料,休業損害等を請求できる場合があります。その場合,弁護士を代理人にして加害者あるいは加害者側保険会社と交渉すると,適切な過失割合を前提に,裁判基準に基づいて,増額交渉ができる場合もあります。
ですので,交通事故に遭われた場合には,お早めにご相談下さい。
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