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老後に備えた新しい「家族信託」活用のすすめ(弁護士 川岸卓哉) 

2024年9月11日 水曜日

川岸卓哉弁護士については、こちらをご覧下さい。

kawagishi   

 

現在の日本は高齢化社会を迎えています。親のこれからが心配な方、自分の生活や財産管理が心配になってきた方も多いのではないでしょうか。
成年後見制度なども活用できますが、後見にならない段階での高齢者の生活や財産管理をどうするのかなど問題があります。一方、相続における争いも増えており、遺言作成もお勧めしていますが、認知症が始まってからだと遺言の作成もできないなどこちらも必ずしも万全の制度とは言えません。
そこで、近年、家族信託という新しい方法に注目が集まっています。「家族信託」とは、信託の一種です。信託とは委託者の財産から特定の財産を分離することで財産を管理する制度です。財産を受託者に渡してしまうといっても、完全に受託者の財産になってしまうわけではなく、受託者は信託の目的に従った管理処分しかできません。つまり、信託された財産は、頼んだ人(委託者)からも頼まれた人(受託者)からも切り離された、信託の目的のための独立した財産になります。
家族信託の典型的な活用例としては、配偶者亡き後の高齢者福祉型信託があります。例えば、高齢のAさんは、認知症になった妻の所持金について、事業に失敗した長男がたびたび持ち出すのを見て、自分が死んだ後の妻の生活を心配している。次男はしっかり者だが、すべての財産を次男に相続させるのもやり過ぎだと思う。こんな場面で、活用できる家族信託として、受託者を次男、受益者を妻とする遺言信託とし、妻の死亡による信託終了後は、財産を長男、次男で均等に分けるスキームを組めば、自分が死亡後の配偶者の生活を保障しながら、子の相続争いも防ぐことができます。
信託は、活用次第では、多様な可能性がある制度です。自分の要望をどうやったら実現できるかを弁護士一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

 

投稿者 川崎合同法律事務所 | 記事URL

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