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自民党新憲法草案に反対する /三嶋健 2007.12.12

2016年8月17日 水曜日

1、保守色薄めた草案?
 自民党は結党50周年党大会で新憲法草案を発表しました。草案について、「保守色を抑制した内容になった」「あえて自民党色を薄めた」というのが自民党が公表した新憲法草案に対する新聞各紙の論評でした。改憲派の雄である「中曽根元首相が草案に怒り」との報道もありました。
  しかし、草案は、戦後日本を「平和国家」として規定している現行憲法前文、9条の平和主義を廃棄し、「戦争する国」に変貌させてしまうものであり、自民党が結党以来一貫して追求してきた再軍備を実現するものであり、「保守色を抑制」とか「自民党色を薄めた」と評価されるものとは到底言えません。

2、平和国家をやめて戦争をする国へ
 草案は、現行前文を全面的に書き改め、侵略戦争の反省のうえに明記されている不戦の決意と平和的生存権の保障を削除しています。また、憲法9条を含む第二章の表題「戦争の放棄」を「安全保障」に変え、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法9条2項を廃棄し、自衛軍の保持と自衛軍による国際的に協調して行われる活動を明記した9条の2を新設しました。
  これは、すでに世界有数の軍事力となっている自衛隊の現状を追認するだけではなく、自衛軍を国際協調主義の名の下に、アメリカが組織する多国籍軍に参加する道を開くものです。仮に、現時点で、憲法が草案通りの内容であったとしたら、自衛隊は、アメリカの要請に応じて、多国籍軍の一員としてイラクを攻撃し、占領後はイラクの抵抗勢力と銃火を交えていたことになっていたでしょう。

3、戦争への協力の強要
 さらに、草案は、前文で国民に対して、「国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務」を課し、12条、13条で人権を「公益及び公の秩序に反しない」限り尊重されるとしています。すなわち、イラクに自衛軍が派兵されれば、国民は自衛軍を支持することを強制され、海外派兵に反対する自由を制限されることになりかねない危険性をはらむものです。

4、憲法の平和主義を守ろう。
 草案はまさに私達に戦争に協力することを迫るものなのです。
  神奈川では昨年2月、5000名の人を集めて『九条の会』をきく県民のつどいが成功しました。川崎でも、「かわさき9条の会」が、7月に、1000名を越える集会を成功させています。地域毎に9条の会が組織されています。
  今年は、平和憲法を守る闘いがいよいよ正念場を迎えます。多くの人と手を携えて、前文、9条の平和主義を守りましょう。

投稿者 川崎合同法律事務所

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