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横須賀米軍兵士による強盗殺人事件 /渡辺登代美 2007.12.12

2016年8月17日 水曜日

 2006年1月3日午前6時30分から40分ころ、神奈川県横須賀市で佐藤好重(よしえ)さん(56歳)が、空母キティホークの乗組員である米兵に殴り殺された。前夜から酒を飲んでいた米兵は、さらに飲む金を強奪するために出勤途中の好重さんを襲った。

  泣き叫ぶ好重さんに対し、顔面を殴打し、コンクリート壁の角部分に打ちつけ、足で踏みつけ、さらには身体をつかんで左右の壁に繰り返し打ちつけるなどの激しい暴行を加えた。好重さんが口から血の泡を吹き、全く声もあげず身動きしなくなるまで。

  この結果好重さんは、多数の肋骨を直線状に骨折し、折れた肋骨が肺に刺さって肺が破裂、腎臓と肝臓も破裂という痛ましい状態だった。顔に至ってはほとんど元の姿かたちを留めないほどだったという。

  事件から9か月、好重さんの内縁の夫山崎正則さんが立ち上がった。数年前から一緒に暮らしており、この4月には入籍する予定だった。「彼女が死んだのは米軍基地があるからだ。米軍基地がある限り、また彼女のような犠牲者が必ず出てしまう。」山崎さんと、好重さんの相続人(養子2名)が10月20日、国を相手に横浜地裁に損害賠償請求訴訟を提起した。

  提訴直後の自由法曹団総会で、山崎さんが全国の団員に支援を訴えた。「米軍基地をなくせ。日本から米軍は出て行け。」全国の団員がこれに応え、弁護団は沖縄から北海道まで120名を超える。
  第1回弁論は12月20日(水)午後1時30分に決まった。弁護団員のひとりは沖縄から参加する。

  労働組合活動もあまり積極的にはしてこなかったという山崎さんが、好重さんのためにひとりでも闘う決意を固めた。好重さんのことを話すと今でも泣いてしまう山崎さん。そんな山崎さんの訴えを聞けば、あなたもきっと支援に駆けつけたくなる。

投稿者 川崎合同法律事務所

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