トピックス
福岡運輸事件について/三嶋 健 2011.9
2016年8月17日 水曜日
本年、1月18日、横浜地裁川崎支部は、大方の予想を裏切って、原告敗訴とした。その要点は、午後2時のアルコール検査で、高い数値が出た以上、前日の9時以降飲んでいないという原告の主張は信用できない、高い数値が出た以上、懲戒解雇はやむを得ないというものであった。
本件は、アルコール検査で高い数値は出たが、事故を起こしたわけでもなく、酒気帯びで業務をしたわけでもないのに、1回の検査結果だけで、死刑判決にも等しい懲戒解雇処分とすることが許されるかという点が問われていた。原告は、これまで処分歴もなく、特段の交通違反歴もなく、優秀な運転手と評価されていたことからすれば、その不合理性は際だつ。
しかし、川崎支部は数値を根拠に、前日来飲んでいないという原告の主張を嘘と決めつけ、嘘の弁解をするような運転手は厳罰でもかまわないという偏見に基づき、懲戒解雇処分を合理化したのである。当時、検査を受けたくないとごねて検査を免れた者もいるというような杜撰な検査体制であったとする原告側の指摘も無視した。
原告側は、直ちに控訴した。原告は、会社と同じ検知器を購入し、医療生協の協力も得つつ再現実験をし、一審では十分に反論できなかった検知器の精度自体を争うべく、現在準備中である。
投稿者
最近のブログ記事
- 西村隆雄 写真展-ローカル鉄道の四季-開催のお知らせ
- 遺言作成は元気なうちに~遺言作成のすすめ~
- よりより遺言書を作るために~「遺言執行者」をご存知ですか?~
- 【11/21開催】78期司法修習予定者向け学習会・事務所説明会に参加しませんか
- 孤立出産による乳児死体遺棄・殺人事件で執行猶予判決を獲得!(弁護士 長谷川 拓也)
- 学習会・事務所説明会
- かわさき市民オンブズマンによる川崎市市民ミュージアム住民訴訟(弁護士 渡辺登代美)
- <77期弁護士の募集を開始しました>
- 神奈川県弁護士会川崎支部のホームページに掲載されました(弁護士 畑福生)
- 労働判例(2023年7月1日号)に掲載されました(弁護士 藤田温久)
月別アーカイブ
- 2024年11月 (4)
- 2024年9月 (2)
- 2024年4月 (1)
- 2023年11月 (1)
- 2023年7月 (1)
- 2023年6月 (2)
- 2023年5月 (2)
- 2023年4月 (2)
- 2023年3月 (3)
- 2023年2月 (1)
- 2023年1月 (1)
- 2022年12月 (4)
- 2022年11月 (3)
- 2022年10月 (1)
- 2022年8月 (1)
- 2022年7月 (1)
- 2022年3月 (1)
- 2022年1月 (2)
- 2021年12月 (2)
- 2021年9月 (2)
- 2021年8月 (1)
- 2021年7月 (2)
- 2021年6月 (1)
- 2021年5月 (1)
- 2021年4月 (2)
- 2021年1月 (2)
- 2020年12月 (1)
- 2020年10月 (4)
- 2020年9月 (2)
- 2020年8月 (1)
- 2020年7月 (3)
- 2020年6月 (2)
- 2020年4月 (6)
- 2020年3月 (1)
- 2020年2月 (3)
- 2020年1月 (5)
- 2019年12月 (2)
- 2019年11月 (4)
- 2019年10月 (2)
- 2019年8月 (1)
- 2019年7月 (3)
- 2019年6月 (1)
- 2019年5月 (1)
- 2019年2月 (1)
- 2019年1月 (2)
- 2018年11月 (2)
- 2018年9月 (2)
- 2018年8月 (4)
- 2018年7月 (3)
- 2018年6月 (1)
- 2018年5月 (3)
- 2018年4月 (1)
- 2018年3月 (2)
- 2018年2月 (1)
- 2018年1月 (3)
- 2017年10月 (4)
- 2017年9月 (4)
- 2017年6月 (1)
- 2017年5月 (1)
- 2017年3月 (1)
- 2017年2月 (2)
- 2016年12月 (1)
- 2016年10月 (2)
- 2016年8月 (76)