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国のエネルギー政策の転換をめざして/渡辺 登代美 2012.9

2016年8月17日 水曜日

自宅は中古のマンションなので、前所有者が残していったエアコンが3台ある。しかし、夏の稼働率はゼロ。これは原発事故とは何の関係もなく、夫は クーラーが嫌いで、私はクーラーで病気になるというだけのことだ。

 原発事故以来、世の中の冷房が全般的に弱くなって、過ごし易くなった。それにも拘らず、せっかく薄着でいられる季節に、ハイソックス、カーディガ ン、膝かけで完全武装しても下痢や吐き気に襲われ、精神衛生上とっても良くない世の中に逆行している事務所がまだ存在している。もっとも、「人の迷惑 より自分の健康」をモットーに、窓を開け放ってはいるが。

 閑話休題。

 7月から8月にかけて、政府の「エネルギー・環境会議」が、2030年までの日本の原発に対するあり方として3つの選択肢を設定し、パブリックコメントを募集した。この選択肢に関する「国民的議論」を踏まえて、8月に新しいエネルギー・環境戦略を決定するとしている。3つの選択肢とは、①原発ゼロ、②原発依存度15%、③原発依存度20~25%だ。

 東京電力福島原発事故の悲惨さを目の当たりにしながら、まだ原発に依存しようとする政府の姿勢は理解に苦しむ(本当はよくわかるんですけど。)。各地で行なわれている意見聴取会で電力会社の社員が原発擁護発言をして問題になったり、参加者の大多数が「ゼロ」を主張しているのに①~③の発言者の数を同数としたり、短時間で質疑応答もない形ばかりの「国民的議論」がなされている。

 そもそも、選択肢の中に、「直ちに原発をゼロにする」というのがないのはおかしい。毎週金曜日の夜、首相官邸前で原発再稼働に対する抗議行動が繰り広げられている。ドラムマーチやら、ジャンべ(アフリカの太鼓)やら、白い風船、チェの旗。再び、国内すべての原発を止めるまで、続けたいものだ。

 私、川岸、中瀬の3人が事務局として参加している「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団では、原発に依存する国のエネルギー政策に変更を迫るため、東京電力だけでなく、国をも相手とした裁判の準備を進めている。原発事故による被害の完全な回復を図るためには、国に責任を認めさせ、エネルギー政策を転換させなければならない。凄惨な悲劇を二度と繰り返さないように。

投稿者 川崎合同法律事務所

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