Q&A
Q 夫(妻)と、離婚することに合意しました。その後の手続は、どうしたら良いのでしょうか。
2019年4月1日 月曜日
A
まずはお近くの市区町村役場で離婚届用紙をもらってきてください。そこに住所本籍等の必要事項を書き込み、当事者双方が署名捺印したうえ、2人の成人に証人として署名捺印してもらいます。未成年の子がいる場合は、協議で親権者を決める必要があり(民法819条)、親権者を決めない限りは離婚できません。そうして完成した離婚届を市区町村長に届け出ることにより、協議離婚が成立します(民法765条)。協議離婚に際して、慰謝料、財産分与、養育費等の金銭的条件を決定する場合には、公正証書を作成することをお勧めします。
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|Q 最低どのくらいお金がかかりますか?
2018年11月15日 木曜日
A
依頼いただく内容やどのような手段をとるかによって、金額は異なります。当事務所では、裁判、交渉等の着手金は最低10万8000円となっておりますが、文書作成のみでしたら3万2400円ということもあり得ます。
ご自身の事件について、どのくらいの費用がかかるのかについては、相談の際に弁護士にお尋ねください。
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|Q 遺言の内容に納得できない場合、どうしたらいい?
2018年8月11日 土曜日
父が「長男Aに全財産を相続させる」という遺言をして亡くなりました。兄(A)が母の面倒をみるならばそれでよかったのですが、私Bと妹Cが母の面倒をみることになったので母と私たち姉妹(B・C)も父の財産を相続したいと考えています。可能でしょうか?
A
1.お父様の相続人は、妻であるお母様と子A・B・Cですから、話し合いをして、お母様・A・B・Cの全員が同意すれば相続財産を自由に分配してかまいません。
2.では、話し合いがまとまらない場合はどうでしょう。その場合、お母様・B・Cは「遺留分減殺請求」をすることができます。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に、相続財産のうち、法律上留保されることが保障された割合のことです。
ご相談のケースの場合には、
◆お母様には、
「相続財産」×「法定相続分1/2」×「遺留分1/2」=相続財産の4分の1
◆B・Cには、それぞれ
「相続財産」×「法定相続分1/2×1/3」×「遺留分1/2」=相続財産の12分の1
を相続することができることになります。
◎遺留分減殺請求(内容証明郵便)
(遺留分減殺請求権は、相続の開始および減殺請求しようとする贈与等があったことを知った日から1年以内)
⇒ 1.話し合い
⇒ 2. 話し合いで解決しない場合、調停
⇒ 3.調停でもまとまらない場合、裁判
3.では、「遺留分減殺請求」はどのような手続きで行うのでしょう。まずは、遺留分減殺の意思をAに伝えます(その際には、後で証拠として使えるように文書にし、内容証明郵便で送りましょう)。そのまま話し合いで済めばいいのですが、解決しなかった場合には、調停を、それでもまとまらない場合は裁判を行うことになります。
ここで注意しなければならないのは、遺留分減殺請求権は、相続の開始および減殺請求しようとする贈与等があったことを知った日から1年以内に行使しなければならないということです(相続の開始から10年を経過したときも請求できなくなります)。
4.親族間の紛争は、感情的な行き違いによって、当事者どうしではなかなか話し合いで解決することが難しい場合が多々あります。そのような場合には、専門家である弁護士が間に入ることで、スムーズに解決に向かうことができます。また、そもそも、せっかく相続人間でのもめごとをさけるために遺言をのこしても、このケースのように内容いかんによってはその目的を達成できません。弁護士は、遺言作成にあたって配慮・注意すべきことをアドバイスすることができます。是非、お気軽にご相談ください。
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|Q 遺留分-相続人なのですが、遺言書をみると、私の相続分がありません。相続分を主張できないのでしょうか。
2018年8月1日 水曜日
A
遺言書が有効であれば、法定相続分をもらうことはできません。しかし、遺留分の主張ができます。遺留分とは、被相続人が有していた財産の一定割合について、最低限の取り分として、一定の法定相続人に保障する制度をいいます。ただし、遺留分に違反する贈与や遺贈も当然には無効とされず、遺留分減殺請求(相続の開始および減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から、1年以内に主張しないと時効消滅するので注意しましょう)を待ってその効果が覆されます。
遺留分を有する者は、法定相続人のうち兄弟姉妹を除いたもの、すなわち、配偶者、子、直系尊属です。
遺留分の割合について、総体的遺留分は、直系尊属のみが相続人である場合は相続財産の3分の1、その他の場合は2分の1です。個別的遺留分は、総体的遺留分を法定相続分に従って各相続人に配分して算定されます。例えば、相続人が配偶者と子3人である場合には、総体的遺留分は相続財産の2分の1であり、個別的遺留分は、配偶者が相続財産の4分の1、子がそれぞれ12分の1となります。相続人が父母のみの場合 (直系尊属のみの場合) には、総体的遺留分は相続財産の3分の1であり、個別的遺留分は父母それぞれ6分の1となります。
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|Q 遺言-遺言書を作成しようと思っているのですが、どのような方法で遺言書を作成すれば良いですか。
2018年7月31日 火曜日
A
民法上、遺言を有効になし得る年齢が規定されており、満15歳に達した者に遺言能力が認められます。また、成年被後見人の場合、遺言の時に本心に復し意思能力を有していれば有効な遺言となります。但し、医師二人以上の立会が要求されています。
遺言書の形式は、民法上3種類あります。
まず、(1)自筆証書遺言があります。遺言者が、遺言の全文、日付、および氏名を自署(ワープロは無効)し、署名の下に、印を押せば完成です。この方法の場合、費用もかかりませんし、遺言の存在を秘密にしておけますが、隠匿、破棄のおそれが高く、遺言者の死亡後に、家庭裁判所において検認や開封の手続をとる必要があります。
次に、(2)公正証書遺言があります。証人2人以上(相続人や、その妻、未成年者はなれません)が立会い、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して読み聞かせ、遺言者と証人が筆記の正確なことを承認して署名押印し、公証人が方式に従って作成した旨を付記して署名押印して、完成です。(1)に比べて、公証人の手数料がかかり手続も煩雑ですが、遺言の存在や内容を明確にさせておくことができ、滅失、偽造の恐れも少なく、検認手続も不要なので、有効な方法です。
さらに、(3)秘密証書遺言があります。遺言の内容を秘密にし、自筆証書遺言よりも安全にしておく方法です。遺言者が作成して署名・押印した証書を封印し、公証人と証人2人以上の前で申述し、公証人が日付と申述を記載し、遺言者・公証人・証人が署名・押印して完成です。
遺言制度は、人の最後の意思を尊重するものですので、いったん、遺言書を作成しても、その後、気が変わって、その内容を変更したいと考えたら、いつでも自由にその内容を撤回することができます。撤回の方法は、遺言の方式によって、されなければなりません。なお、被相続人の死亡後、複数の遺言書が見つかった場合には、最後の日付の遺言書が有効になることを覚えておきましょう。
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|Q 特別縁故者-身寄りのない人の資産はどうなるのですか。
2018年7月21日 土曜日
A
相続人がいないことを相続人の不存在といいます。このような場合、相続債権者等の利害関係人の請求により、家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、相続財産を管理・清算させることにしています。相続財産管理人は、官報に相続人であることを名乗りでるよう公告し、名乗り出ない場合は、相続人の不存在が確定します。相続人が存在しない場合には、特別縁故者(内縁の妻、療養看護に努めてきた親族友人等)が、一定の手続により、相続財産の分与を受けることができます。
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|Q 全部でいくらかかりますか?
2018年7月15日 日曜日
A
一般的に弁護士費用には事件の依頼のときにお支払いいただく着手金と、事件が終わったときにその成果に応じてお支払いいただく報酬金があります。
金銭請求の場合は、相手に請求する額を基準に着手金を算定し、相手から得られた金額に応じて報酬金を算定することになります。ですので、その事件事件によってかかる費用はかわってきます。
一般的な着手金の額、報酬金の額については、別表をご参照ください。また、コピー代、通信費、交通費、住民票等の書類取寄せにかかる実費については、弁護士費用のほかに別途お支払いいただいています。
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|Q 相続の承認・放棄-相続人ですが、相続したくない場合は、どうしたら良いですか。
2018年7月11日 水曜日
A
相続財産には、不動産や預金などの積極財産だけでなく、借金のような債務の消極財産もあります。 また、相続財産が積極財産だけであっても、他の相続人に相続分を譲りたい等、相続を拒む相続人もいます。そのため、民法は、相続の承認や放棄の制度によって、相続人が相続の効果を受諾するか、拒否するかを選択する自由を認めています。
相続の承認・放棄は、原則として、相続人が相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければなりません。3か月の期間の経過により、放棄や限定承認(相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の残した債務や遺贈について責任を負うという条件付きで相続を承認するというもの)の選択権は失われ、単純承認したものとみなされます。
熟慮期間の起算点は、自己のために相続の開始があったことを知った時、原則として、各相続人が被相続人の死亡を知ったときです。なお、相続放棄、限定承認は、家庭裁判所に対して申立することになります。
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|Q 再分割-相続権があるのに、他の相続人が、知らないところで、遺産分割協議を成立させてしまっている場合、どうしたら良いですか。
2018年7月1日 日曜日
A
戸籍上明らかになっている共同相続人が、一部の相続人を除いて勝手に遺産分割協議をしてしまった場合には、そのような遺産分割協議は無効です。したがって、他の共同相続人に対して、いつでも再分割を求めることができます。
ただし、戸籍上明らかな相続人でない場合(認知されていない子や、実子であるにもかかわらず、戸籍上他人の子として届けられている場合)でも再分割を求めることができます。しかし、前提として、自ら相続権があることを証明する必要があります(相続回復請求権)。このような相続人が、相続権を害されたことを知ったときから5年以上経過したときは、他の相続人は、再分割の請求が時効消滅したと主張できるので、5年以内に法的手続をとるように、注意しましょう。
また、相続の時から、20年以上経過したときは、その間、自ら相続権があることを知らなくても、再分割の権利は時効で消滅することになります。
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|協議離婚時の公正証書の活用について(弁護士 川口彩子)
2018年6月29日 金曜日
合意書をつくったはいいけれど…
「約束した養育費を元夫が支払ってくれない」というご相談を受けることがあります。口約束の場合もありますが,「念書」「覚書き」「合意書」といった書類をお持ちになっている方もいらっしゃいます。そのとき確かに約束しているわけですから,特段の事情がなければ,その書面は有効です。
なんと二度手間!
ただし,当事者間で作成した書面しかない場合,支払いの請求をすることはできますが,相手が応じてくれないと,次のステップは裁判ないし調停の申立てということになってしまいます。つまり,裁判所でもう一度,強い効力のある書面を作り直さなければならないということです。
公正証書とは
この手間を回避するのに活用されているのが各地にある公証役場で作成する公正証書です。公正証書は,元裁判官,元検察官など,法務大臣が任命する公証人が作成する公文書です。当事者間の合意を「契約書」という形で,公文書にしてもらうのです。
公正証書で養育費や慰謝料,財産分与などの支払いを約束する場合,支払う側に「強制執行認諾文言」という条項が入れられます。つまり,決められた期限までに支払いがなければ,ただちに強制執行を受けても異議ありませんという言葉です。この「強制執行認諾文言」があると,あらためて裁判や調停をしなくても,不払いがあった場合にただちに強制執行に移ることが可能です。お金の支払いの約束がある場合は,あらかじめ公正証書にしておくことをお勧めします。
公正証書作成までの段取り
ここで注意が必要なのは,公証人は,当事者の間に入って調整をしてくれる人ではないということです。あくまでも,公正証書にしてもらう内容は自分たちで話し合って決める必要があります。内容が固まったら,公証役場に連絡をして,公証人に合意内容をお伝えしてください。後日,公証人から公正証書の案文が届きますので,当事者双方が事前に確認し,修正がある場合は,修正を公証人に依頼します。公正証書の内容が確定したら,当日,当事者双方が公証役場に行き,同席の下で,内容の確認と,それぞれの署名押印が行われます。
委任状について
どうしても相手方当事者と同席したくない,同席できないという場合,代理人を立てることもできます。その場合,強い効力を持つ書面を作成することになりますので,通常の委任状では足りません。どのような内容の公正証書を作るかといった内容面まで踏み込んだ委任状が必要となりますので,公証役場との事前協議が必要となります。
不本意な公正証書を作らないために
先ほど述べたとおり,公正証書にする内容は自分たちで決めなければなりません。離婚にあたって,何をどこまで請求できるのか,養育費や慰謝料の基準,財産分与の考え方などを事前に知っておくことが重要です。相手方と話し合う前,あるいは話合いの途中など,内容を固める前にご相談ください。
また,弁護士が代理人となって,相手方と交渉を行う場合もあります。どの段階で弁護士が入るのか,どのような方法で事件を解決に導くのかについては,具体的なご事情をお聞きして,最善の方法をアドバイスします。弁護士が代理人となって,相手方と交渉を行い,公正証書を作成する場合には,公証人とのやり取りの窓口にもなりますので,安心しておまかせください。
以上
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