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12年かけて勝ち取った公務上災害認定/川口 彩子 2011.9
2016年8月17日 水曜日
今から12年前の1999年5月12日、神奈川県立こども医療センターの看護師だった池田美奈子さんは、勤務中の事故により腰椎椎間板ヘルニアを発症しました。池田さんが勤務していたのは重度の心身障害をもつお子さんなどが入院している病棟で、こども医療センターの中でも特に腰に負担がかかる職場とされていました。
池田さんは地方公務員災害補償基金に公務災害の認定請求をしようとしましたが、神奈川県は池田さんのヘルニアは公務災害ではないと勝手に判断し、池田さんに「公務災害は却下された」と伝えました。しかし池田さんは自分がヘルニアになったのは日常業務が原因で、公務災害に間違いないと確信していましたので、上司の協力が得られないまま孤軍奮闘し、1人で請求書を書き上げて公務災害認定請求を行ったのです。しかし、地方公務員災害補償基金は2004年1月、池田さんのヘルニアは公務外との裁決をしました。これを不服とした池田さんは審査請求、再審査請求もしましたが、いずれも棄却されました。そこで池田さんは「公務外」処分の取り消しを求め、横浜地裁に提訴したのです。提訴までに既に8年を費やしていました。
横浜地裁は今年5月12日、池田さんの訴えを全面的に認め、池田さんのヘルニアを公務災害と認定する画期的な判決を下しました。判決日が事故日と同じ5月12日だったのは、裁判所から池田さんへのプレゼントだったのだと思います。公務災害は確定しましたが、池田さんは現在、神奈川県立病院機構に対し、池田さんがヘルニアになってしまったことの責任を問う裁判をたたかっています。今後も池田さんへのご支援をよろしくお願いいたします。
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