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たたかって25年 ─家族に戻った笑顔─/ 国労横浜人活事件 原告 岡 英男 2012.9

2016年8月17日 水曜日

2012年5月21日、最高裁において、東京高等裁判所の「国鉄当局のデッチ上げ事件を認め懲戒停職処分無効と損害賠償金を支払え」という判決が確定し、松本繁崇さんと私の25年の歳月をかけた事件が解決した。「鉄道・運輸機構で働く」願いに届かなかったことは悔やまれるが、何より嬉しかったのは、妻や子どもたちが喜び、25年前の家族の笑顔と団結が戻ったことである。

 小学生の頃は、「お父さん頑張れ」と応援してくれた子どもたちが大人になるにつれて、特に息子は私に反発する時期もあった。しかし、22年後の横浜地裁(2009年12月)で、請求は棄却されたもののデッチ上げが認められた判決の夜、私が遅くに帰宅すると息子が鍵を開けて迎えてくれたのである。私はびっくりすると同時に、目頭が熱くなった。その晩は遅くまで、家族全員で議論したが、妻や娘たちは判決全体は不十分だがデッチ上げが認められたことを非常に喜んでおり、息子も父親の事件がデッチ上げだと社会的に認められたことが嬉しかったのだ。これで東京高裁への新たな闘いの決意も高まった。

 その後、組合として全ての採用差別事件を「政治解決」する局面に遭遇した。私は、政治解決そのものはむしろ良かったと思っているが、「横浜人材活用センター事件」は政治解決に相応しくない事件であり、デッチ上げが認められても反省の色も示さない鉄道・運輸機構と政治解決しても、後で「闘っておけば 良かった」と後悔したくないと考え信念を貫くことを決めた。その信念を貫き通して決着をつけることができた今は、人生に到達したような気分だ。

 横浜人活刑事弾圧事件で逮捕、懲戒免職とされた藍(あい)さんら5名の国労組合員は、無罪判決及び懲戒免職無効等の判決により職場に復帰した。さらに私たちの事件を通して、横浜人活事件は、国に損害賠償金を支払わせる次元まで到達した。賠償金が小さなものでも大きな勝利だと確信する。

 過日の裁判報告集会の懇親会に駆けつけた息子が、胸を張って「岡英男の息子です」と自己紹介した言葉は、全く予想しなかった嬉しい言葉で、最後まで闘い抜いて良かったと一生忘れられない瞬間だった。

 皆様、本当にありがとうございました。

投稿者 川崎合同法律事務所

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