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大きな声では言えない話(弁護士 川口彩子)

2026年8月3日 月曜日

川口弁護士については、こちらをご覧下さい。

 

5月中旬、グーグルで表示された広告から、シャツ、カーディガンなどを購入した。スマホからセール品を何点も見比べ、行ったり来たりしながら選んだ品だった。最近は店頭よりもネットで購入することが多く、通常なら1週間もしないで届くはずだった。しかし…来ない。もしかして、カートに入れて注文し忘れたんだっけ?と思ってメールを確認したが、ちゃんと注文されている。
 約2週間後、ショップからメールが届いた。注文した品の1つが在庫切れになってしまったので、①別商品に交換か(お詫びとして500円引きにしてくれる)、②実額の1.2倍のクーポンを発行するとのこと。詳しい内容はカスタマーセンターまで。品切れの商品を除き、他の商品は先に発送しますので、ご安心くださいませとと書いてあった。
 まあ欠品もあり得るかと思ったが、他の商品は先に発送しますというのでそのままにしていたが、数日待っても他の商品が届かない。
 さすがにこれは…と思い始め、そう考えると、クーポンだとか500円引きだとか、ショップに連絡させようとしていること自体おかしい気がしてきた。あまり考えたくなかったが、「○○(ブランド名) 届かない」で検索したところ、そのような事例が多数見受けられる。正規のショップかどうかは、公式ページから注文履歴を確認するのがよいと書かれた記事を見つけたので、公式ページに行ってみた。そしてやはり注文履歴はなかった…。詐欺である。詐欺にひっかかった…。
 数日は誰にも言えなかった。お金もショックだし、詐欺にひっかかったこともショックだけれども、その偽のショップに会員登録し、メールアドレスやパスワードを入力してしまったことが、今後の不安として大きかった。けれど、詐欺にひっかかったらあきらめるしかないと思っていた。

 そのような中、川崎市消費者行政センターの相談員さんたちとの懇親会の機会があり、「実は詐欺にひっかかってしまったんです」という話をした。相談員さんたちは目を輝かせて弁護士が詐欺にひっかかった話を聞いてくれて「カード決済なら全然大丈夫ですよ」とアドバイスしてくれた。そうか。抗弁権の接続か。

 とはいえ、自分のこととなるとなかなか腰が重い。そこから2週間して、ようやくカード会社に連絡をした。最近はすぐにオペレーターにはつないでくれず、HPから該当箇所をクリックしていったり、電話をかけても自動音声システムでなかなか進まない。挙句の果てには、一度、自分でショップと交渉し、ダメだった場合だけオペ―レーターとつないでくれるという。また騙されるのが嫌だったので、ショップに連絡も取りたくなかったが、メールを送ったところ、簡単に「このアドレスは不明」として、メールが届かなかった通知がきた。これで一安心(?)。
 あらためて、音声案内をやりなおし、オペレーターさんとつながった。本人確認の後、「チャージバックをお願いしたい」と伝えた。オペレーターさんから「何日のお買い上げですか」と聞かれ、日にちを答えたところ、「●●円のお買い上げですかね」と言われた。この日、いくつかカードで買物をしていたが、いかにも怪しい決済だったのだろう。自分でも確認したときも、「AST* GBASES利用国GB」と書いてあり、まあ、怪しいですよね。また、商品購入からの日数も聞かれたので1か月以上前だと答えたところ、「ああ、それならだいぶたってますね」との返答であった。1週間前の注文なら、もう少し様子をみなさいということなのでしょう。
 オペレーターさんの話では、今から送るURLにアクセスをして、「注文した商品が届かない」というページから、詳細な状況を入力し、送信してほしいとのことであった。その後、審査をし、不正な取引の認定ができれば、返金されるとのこと。返金については、後日のカードの利用料金との相殺になるか、別の方法を言われた気がするが、忘れてしまった。また、場合によっては、現在使っているカードを停止することになるかもしれないとのこと。消費者行政センターの相談員さんたちからのアドバイスで、それも覚悟していたので、カードが停止する可能性があることも了解した。
 審査には2か月ほどかかる可能性があるとのことで、現在はその審査待ちである。ただ、「現時点ではカードを止める必要はなさそうです」とのメールは届いたので一安心。現在は、それ以上の被害には発展していない。

 今回の教訓は、「必ず公式ページから注文すること」。もう二度とひっかかりたくない。そして、「クレジットカード決済だからたすかった」ということ。

 弁護士のコラムなので、「抗弁権の接続」について解説しておくと、これは「支払停止の抗弁」のことで、クレジット契約で商品を購入した場合に、、ショップ側に欠陥品、未着、契約解除などの問題点があれば、クレジット会社からの支払請求を拒絶できるという権利である(割賦販売法第30条の4)。私の場合は、現在ショップの問題点について審査中であり、結論は出ていないが、現在に至るも商品は届いていないので、やはり詐欺なのだろう。法律上は、「支払いを拒絶できる」となっているが、もう引落しはされてしまったので、「チャージバック」という形で返金してもらえることになりそうだ。
 最近、ロマンス詐欺、投資詐欺など、なかなか解決が難しいご相談ばかりだったので、詐欺にあったらあきらめるしかないとのマインドになってしまっていた。反省。皆様もどうかご注意を。そして、くれぐれも公式ページからのご注文を。

投稿者 川崎合同法律事務所

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