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タウンニュース(高津区版)2017/9/15号に掲載されました(弁護士 川岸卓哉)
2017年9月25日 月曜日
タウンニュース(高津区版)2017/9/15号に、2017年9月8日に開催された、川崎市保育問題研究会主催の保育の質を考える勉強会についての記事が掲載されました。
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|建設アスベスト訴訟、公正判決を求める学者・研究者共同アピール(弁護士 西村隆雄)
2017年9月16日 土曜日
2017年10月24日(横浜地裁)、10月27日(東京高裁)で判決を迎える建設アスベスト訴訟について、公正判決を求める学者・研究者共同アピールに取り組んでいます。ご賛同のほど、よろしくお願いします。
全国建設アスベスト訴訟 ~訴訟の到達点と勝利判決に向けて~
神奈川建設アスベスト訴訟弁護団団長 西 村 隆 雄
全国建設アスベスト訴訟の概要
2008年、国と建材メーカーに損害賠償を求める首都圏建設アスベスト訴訟(東京・神奈川)が提起され、これに続き、2011年には北海道、京都、大阪、福岡の全国各地で、同様の訴訟が提起されました。
原告は、大工・保温工・電工・左官・配管工・解体工などの建設作業に従事し、肺がん・中皮腫・石綿肺などの石綿関連疾患に罹った被害者であり、被告は、国及び石綿含有建材を製造販売した40数社の企業です。
いずれの訴訟においても、国に対しては、石綿の危険性を知りながら、防じんマスクの着用義務付けや製造・使用禁止措置などの規制を怠ったこと、建材メーカーに対しては、危険な石綿建材を製造販売し続け、製造販売にあたり適切な警告表示を行わなかったこと等の責任を追及してきました。
これまで国に対しては、東京地裁にはじまり、福岡、大阪、京都、札幌の各地裁で5たび、国の責任を断罪する判決をかちとり、また建材メーカーに対しても昨年1月の京都地裁判決で初めて原告勝訴の判決をかちとることができました。
この間の到達点と勝訴判決の意義
京都地裁判決を契機に、原告らとの交渉を頑として拒否していたニチアスなども交渉のトビラを開き、その他企業も制度創設に向け前向きな発言がみられるなど、建材メーカーの対応に明らかな変化が生まれ、一方、大阪、京都地裁判決に際し、新聞各紙が社説で一斉に救済制度創設を求めるなど、状況は大きく前進しています。
こうした中で、きたる東京高裁判決でメーカー勝訴の判決をかちとることができれば、今後の各高裁、地裁判決に大きな影響を及ぼすことはもちろん、建材メーカー各社に対しても、京都判決の比ではない大きなインパクトとなること確実です。
今後に向けて
わが国で石綿建材を使用した建物の解体のピークは2030年前後と推定され、過去の石綿建材の使用のピークと発症までの長い潜伏期間を考えると、建設作業従事者の被害は今後も増加の一途をたどることが確実視されています。
一方建設アスベスト裁判では、日々病に苦しんで命を落とす原告が相ついでおり、神奈川(1陣、2陣)訴訟でみても、原告被災者119名中、77名の方が裁判の結着をみることなく命を奪われています。
したがって、裁判提訴によることなく迅速な救済をはかる、建設被害者補償基金制度の創設が急務となっています。
基金制度は、労災認定等を受けた建設作業従事者を対象に、労災補償の上積み補償を、国、建材メーカー、ゼネコンの財源負担で行うというものです。
この間、制度創設に向け141万筆の国会請願署名が寄せられ、大阪・京都判決の際には、新聞各紙が社説で制度創設の必要を説くなど、これを支援する世論も広がってきています。
こうした中、この制度創設に向けて、建材メーカーの責任を裁き、救済の範囲を一人親方も含む全ての建設作業従事者に拡げる明快な判決が、今こそ、切望されるところとなっています。
共同アピールご賛同のお願い
そこで東京高裁に対して、そして横浜地裁に対して、制度創設に向けて大きな道を切り拓く歴史に残る判決を下されるよう求めるうえで、これまで全国で公害、薬害、労災被害者の命と健康を守るためたたかってこられた多くの弁護団の皆様の賛同アピールが大きな力になると確信しています。
ぜひとも共同アピールの趣旨をご理解いただき、アピールにご賛同下さいますよう、よろしくお願い申しあげます。
賛同下さる学者・研究者の方は、弁護士西村宛、ファクシミリでご連絡ください。
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|MUSIC MAGAGINE(2017年9月号)に川岸卓哉弁護士の記事が掲載されました
2017年9月1日 金曜日
ミュージック・マガジン2017年9月号のPOINT OF VIEW欄に、
川岸卓哉弁護士の記事が掲載されました。
タイトルは、
「高度プロフェッショナル制度」とその容認に動いた連合の問題点
是非、ご覧下さい。
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|賃金減額された場合でも差額分を請求できる場合があります。未払い賃金(残業代)の請求はお早めに。(弁護士 山口毅大)
2017年8月14日 月曜日
1 相談に至る経緯
相談者は,30年以上も勤務していた会社で,上司からの暴行,暴言により,肉体的・精神的な苦痛を受けた上,会社から些細なミスや身に覚えがないミスを指摘され,十分な説明がないまま,一方的に賃金を半分近く減額され,その挙げ句の果てに解雇されました。その会社は,相談者が残業しても,相談者に対し,一切残業代を支払ってきませんでした。
そこで,相談者は,未払賃金や未払残業代を請求すべく,知り合いの紹介で労働組合を紹介され,労働組合に加入しました。相談者と労働組合は,会社側と団体交渉を行い,会社が行った賃金減額について合意が成立していなかったとして,未払い賃金を請求するとともに,本来支払われるべき残業代が未払いであるとして未払残業代を請求しました。団体交渉の中で,会社において,相談者の労働時間を適正に把握していなかったことが明らかになりました。もっとも,会社に就いた弁護士が一切の未払賃金や未払残業代がないと主張して,相談者の請求を拒みました。そこで,労働委員会にあっせんの申立をしました。2回の期日の中で,会社側は,未払賃金や未払い残業がない上,消滅時効を援用すると主張してきました。相談者と労働組合は,この段階で和解するのであれば,最低でも200万円を求めましたが,会社側は当初,30万円,最終的に50万円までしか払わないと述べたため,あっせんは不調となりました。
その後,相談者は,労働組合員とともに労働組合と連携している弁護士に相談しました。
2 本件の主な争点
本件の争点は,①賃金減額合意が認められるかどうか,②相談者が働いた労働時間,③賃金について,消滅時効が完成しているかどうかです。
3 相談後の経緯
相談者のお話を伺うと,上司からの暴言,暴力や上司から賃金減額の合意書にサインしないとクビにすると脅されたことで,相談者は,全く納得していないまま,形だけ賃金減額合意書にサインしたとのことでした。実際に,相談者は,会社から具体的にいくら賃金を減額されるかについて,説明を受けていなかったとのことでした。証拠を精読すると,そもそも賃金減額すると合意書に書いていない手当についても,減額されていることがわかりました。さらに,その額も半額近く減給されており,不利益の程度が大きいと評価できました。他方,賃金減額後,従前行っていた業務内容に少し変更があり,それに伴って賃金が減額されたということも考えられました。ですので,賃金減額合意の有無が激しく争われるという見通しでした。裁判例では,賃金の減額等,労働条件を労働者の不利益に変更することは当該労働者の生活を脅かしかねないものであることから,その同意が労働者の真意から出たものというためには,書面等において形式上同意の意思を表明しているのみならず,これにより労働者にもたらされる不利益の内容及び程度,労働者が同意するに至った経緯及びその態様等に照らして,当該同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが必要とされています。訴訟であれば,賃金減額合意が成立していないという判断が示される可能性は,十分にありました。
また,相談者が働いていた労働時間については,相談者が上司に提出し,上司のチェックを受けていた日報が一部の期間だけ存在することがわかりました。そこには,出社時刻と退社時刻が記載されていましたので,この日報を軸に労働時間を立証できると確信しました。さらに,労働者自身が入社してから毎日の業務と退社時刻が記載された日報がありましたので,作業内容から出社時刻を推定すれば,労働時間のかなり部分を立証することができると考えられました。
さらに,請求していた賃金について,会社側が支払いを拒絶したために,相談者が請求していた期間のうち,9か月分について,消滅時効にかかっていました。ですが,少なくとも,労働組合があっせんを申し立てた時から遡って2年分の賃金については,相談者は,権利の上に眠っていた訳ではなく,むしろ,自らの権利行使を明確にし,労働委員会という行政機関に申し出ていると考えられることから,9か月分のうち,数ヶ月分について消滅時効は完成しないだろうと考えました。
他にも,相談者は,パワハラを受け,賃金減額された挙げ句の果てに,解雇されたのですから,パワハラや解雇についても違法であり,損害賠償請求できる事案でした。
そうすると論点が多く,複雑になるので,訴訟の方が裁判所にしっかりと認定してもらえるので,訴訟をすることも選択肢として提示しましたが,相談者と労働組合からは,早期に解決したいという強い希望があったので,原則3回以内の期日で審判を出し,訴訟よりも迅速に解決できる可能性が高い労働審判手続を選択しました。
相談者は,弁護士に依頼する以上,最低でも400万円,できれば600万円は欲しいと仰ったので,労働審判手続を申し立てる前に,会社の弁護士に,証拠関係からして,労働審判手続前の段階であれば,600万円で和解できないか交渉しました。ですが,会社の弁護士は,150万円までしか払えないとの回答で交渉が決裂しました。
そのため,労働審判手続を申し立てました。その際,日報などの記載,給与明細書,就業規則等の記載から認定できる事実を前提に,数十件に亘る裁判例や通達を検討し,考えられる最大の金額を緻密に計算して,申立書で請求しました。
第1回労働審判手続期日の結果,裁判所は,賃金減額の合意の有無について,労働審判手続では,十分に判断しきれないため,賃金減額幅を半額で計算すること,残業代請求については,一部の手当を0円とした上で,日報作成時間を若干減らされたものの,ほぼ相談者の日報に記載された労働時間を前提に未払い残業代を計算することになりました。消滅時効についても,労働組合があっせんを申し立てた時から遡って2年分の賃金については,消滅時効は,完成しないということで,内容証明郵便で請求したときよりも遡って2年以上の賃金が認められたということになりました。
第2回労働審判手続期日前にそれぞれが再計算することになっていたところ,会社の代理人が裁判所の指示を無視し,本来の時間よりも少なく計算していたので,それを指摘した補充書面を裁判所に提出しました。
その結果,第2回労働審判手続期日では,会社の誤りを指摘したこちら側の補充書面の労働時間が採用され,裁判所から700万円で和解できないかという提示がありました。会社側は500万円と言ってきましたが,最終的に,会社が相談者に対し,680万円を一括で支払う内容で調停が成立しました。
4 さいごに
形式上,賃金減額の合意書にサインしても,不利益が大きかったり,脅されたり,十分な説明がなされなければ,その合意が成立していなかったとして,差額分の賃金が請求できる場合があります。さらに,黙示の賃金減額の合意は容易に認められないとされています。
また,労働時間についても,タイムカードやICがなくとも,日報,手帳,メール,LINE,レシート,IC定期券,会社のPCのログオン,ログオフ等によって,立証することができる場合もあります。
さらに,賃金請求権の消滅時効は2年ですが,消滅時効の援用が権利の濫用にあたる場合や残業代請求ができない状況を長年作り出し,行政からも会社に対して,残業代を請求できる体制にすることを求めていたにもかかわらず,会社がかかる体制を構築しない等,違法性が強く不法行為責任が追及できる場合等といった特別な事情があれば,2年以上請求できる場合もあります。
諦めずに,まずは,ご相談ください。
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|あなたや身近な方の「老後の暮らし」「資産」は大丈夫? ~任意成年後見・法定成年後見制度を活用して、老後の安心を~ 弁護士 中瀬奈都子
2017年6月14日 水曜日
認知症の父の不動産を売って、父の入院費用にあてたい・・
自分が認知症になったときに、財産の管理を信用できる人にたのみたい・・
→成年後見制度を活用しましょう!
1,法定成年後見・任意成年後見って、なに?
(1)成年後見制度とは・・
認知症や知的障害、精神障害などの精神上の障害によって、判断能力が不十分なため、契約などの法律行為を自分自身で行うことが困難な人を法的にまもり、支えるための制度です。
法定後見制度と任意後見制度の2つの制度から成り立っています。
(2)法定後見制度
◆法定後見制度とは・・
法定後見制度とは、裁判所の審判によって、ご本人を法的に援助する人(成年後見人・保佐人・補助人)をつける制度です。ご本人の判断能力に応じて、3つの類型があります。いずれも、本人、配偶者、四親等内の親族、市区町村長、検察官などが申し立てることができます。
◆3つの類型
◆手続きの流れ
◆費用は?
①申立費用
・裁判所への印紙代1万円程度 ※鑑定費用10万円程度がかかる場合も
・弁護士に申立手続きを依頼した場合は、弁護士費用(10~20万円程度〔税別〕)がかかります。※複雑又は特殊な事情がある場合もありますので、弁護士とご依頼者様との協議によって定めます。
②後見人等への報酬(目安)
*親族などが行う場合は無報酬になることもあります。
*訴訟などがあれば、上記に加えて特別な報酬がかかる場合もあります。
◆期間はどれくらいかかる?
申立てから1か月以内が4割、3か月以内が8割と言われています。
◆後見人等になるって?
子、配偶者、兄弟などの親族が後見人等になる場合が約6割、残りの約4割が弁護士を含む第三者が後見人等になる場合です。
かならずしも弁護士などの専門家がならなくても良いものですが、その法律行為がご本人にいかなる影響を与えるかなど専門的な判断が要求される場面もあるため、弁護士が後見人等になることには意義があるといえます。
(3)任意後見制度
◆任意後見制度とは・・
任意後見制度とは、ご本人が契約することによって、ご本人の判断能力が不十分になったときにご本人を法的に援助する人(任意後見人)を決めておく制度です。
◆何を任せるか
① 財産管理に関する法律行為
例;預貯金の払戻しや管理、不動産など重要な財産の管理・処分、遺産分割、賃貸借契約の締結や解除、生活費の送金、日用品の購入など
② 身上看護に関する法律行為
例;介護契約などの福祉サービス利用契約、入退院の事務、医療契約、要介護認定の申請など
・任せられるのは「法律行為」なので、入浴介助などの介護行為などの事実行為は任せられません。ただし、任意後見契約とは別の契約として、介護行為を任せることはできます。
・死後の事務は、ご本人の死亡により、任意後見契約が終了するため、任せられません。ただし、任意後見契約とは別の契約として、死後の事務を任せる契約を結ぶことは可能です。
◆当事者など
① ご本人(委任者)
② 任意後見受任者=任意後見人
・・・ご本人との間で任意後見契約を結ぶひとです。後見が開始された後は、ご本人の生活・療養看護や財産管理に関する事項の全部または一部について代理権をもち、ご本人の代わりに行うことができます。
約7割が親族等で、それ以外は弁護士などの専門家がつとめています。
これについても、法廷成年後見などの場合と同様、その法律行為がご本人にいかなる影響を与えるかなど専門的な判断が要求される場面もあるため、弁護士が任意後見人になることには意義があるといえます
③任意後見監督人
・・・任意後見人が不正行為を行わないよう、任意後見人の事務を監督し、家庭裁判所の定期的に報告する任務を負います。家庭裁判所が、申立人と利害関係のない第三者の専門家を選任します。任意後見監督人が選任されて、ようやく任意後見が始まります。
◆手続きの流れ
◆費用
①公正証書作成費用・任意後見登記費用
公正証書作成の基本手数料1万1100円+α ※移行型は別途かかる
登記嘱託手数料1400円、登記所への印紙代4000円
②任意後見監督人選任申立ての費用
裁判所への印紙代等1万円程度※鑑定費用10万円程度かかる場合も
弁護士に申立てを依頼した場合、弁護士費用(10~20万円程度〔税別〕)がかかります。※複雑又は特殊な事情がある場合もありますので、弁護士とご依頼者様との協議によって定めます。
③任意後見人の報酬
報酬はご本人と任意後見受任者との間の契約で定めること。
(目安)月額5000円~10万円程度 ※一人の場合。
※親戚が任意後見人となる場合は無報酬の場合もあります。
2,もし後見人などになったら、何をすることになるの?
―法定後見人、財産管理をまかされた保佐人・補助人・任意後見人になった時
◆後見人などになった直後
・本人の財産の確認と財産目録作成する。
・本人の財産を受け取り、安全な方法で保管する。
・本人の一ヶ月の収入と必要な生活費などの支出を確認し、年間収支計画を作成する。
・長期収支の見通しを立てる(医療・介護費、施設入居費、家屋改修費などを検討)。
・本人財産の相続権者を確認して、記録する。
・金融機関などへ後見人の届け出を行う。
・本人への郵便物・配送物などの受領の手続をする。
・生活費の受け渡し方法、回数、金額などを決める。
・・など
◆毎月の固定的な仕事
・本人の生活に必要な事項について契約を締結し、諸費用の支払いをする。
・本人の入金・出金・口座の引落額のチェックをする。
・請求書、領収書、引落し通知書などを整理し、預金通帳の記帳をする。
・入出金の記録を適切に行う(日常生活の食費・雑費などの詳細な記録は
必要としない)。
・公的機関、銀行、保険会社などからの通知書類に目を通し、必要な手配
をする。
・・など
◆その他
・法定後見人・保佐人・補助人は、職務内容(本人が処分した財産についてや、本人の財産に変動があったことなど)について1年から2年ごとをめどに家庭裁判所に報告する義務があります。
・任意後見人は、任意後見監督人に職務内容について報告する義務があります。
・本人が死亡した場合、家族・親族などに連絡し、状況により葬儀までに必要な手配事項の処理や連絡などを行う必要があります。
このように、こまめな事務作業が必要なだけでなく、適切な財産管理をしたり、契約締結の代理をしたりと、専門家でなければ判断が難しい場面がでてくることがあります。是非、弁護士にご相談ください。
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|借金でお困りではありませんか 弁護士 小野 通子
2017年6月8日 木曜日
借金でお困りではありませんか
弁護士 小野 通子
1 はじめに
弁護士をしていて、最も多いご相談の一つは借金の問題です。
皆さま、とてもお疲れのご様子で、または、焦ったご様子でご相談にいらっしゃいます。
我々としては、このような状態になる前に、お気軽にご相談いただきたいと考え、債務整理のご相談は無料とさせていただいております。
ご相談いただいた場合、弁護士は、借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりすることで、ご相談者のご負担を減らす手続きをします。これは一般に債務整理という手続きになります。債務整理のご相談では、我々弁護士は、ご相談者から収入や支出をお聞きした上で、通常3つの手続き(任意整理、個人再生、自己破産)から、ご相談者の生活再建に最適と思われる手続きをお勧めすることになりますが、これらがそれぞれどのような手続きか、簡単にご説明いたします。
2 任意整理(過払い金請求)
任意整理とは、個々の債権者との間で交渉を行い、支払総額や支払方法について改めて合意をし直し、その後、その合意にしたがって弁済をしていくという手続きです。個人再生や自己破産のように、法律に制限されることも少なく、また、裁判所を介する手続きでもないことから、一部の債権のみを対象に整理するなども可能で、非常に自由度の高い手続きです。ただし、借金の元本は原則支払っていいただくことになりますので(利息は免除されることが多い)、個人再生や自己破産よりも債権の圧縮額は小さくなります。
なお、過払い金請求もほぼ同じ手続きで行われます。ご相談者の中には、自分にも過払い金があるのではないか調べたいということでご相談にいらっしゃる方もいますが、借金の返済が大変だとの理由でご相談にいらっしゃったけれども、弁護士が調査した結果、実は、借金は全額なくなり、逆にお金が戻ってくるという結果になるご相談者もいらっしゃいます。
任意整理の手続きはおおよそ以下のようになります。
① 弁護士と面会でご相談。借金の状況、収入・支出の状況等をお聞きします。
任意整理が最適と思われた場合、契約書を締結し、任意整理の委任を受けます。
② 弁護士から、各債権者に受任通知を出します。
これ以降、ご依頼者に債権者から直接連絡が来ることはなくなります。
③ 債権者から取り寄せた取引履歴から、弁護士が、利息制限法に基づく引き直し計算をし、債務額を確定します。利息制限法を超える利息を支払っていた場合、債務額が減額されます(過払い金を回収できる場合もあります)。
④ ご依頼者の収入・支出の状況から、3~5年程度で返済可能な返済計画をご提案します(元々の契約より毎月の返済額が小さくなります)
⑤ ご依頼者の了解を得た上で、各債権者に返済計画を提案します。
返済計画の合意ができた場合、合意書を作成します。
⑥ 返済計画に従った返済を開始していただきます。
3 個人再生
債務の全額の返済は不可能であるが、どうしても自宅を手放したくない場合には、個人再生(小規模個人再生・給与所得者等再生)手続きをおすすめします。
裁判所が認可した返済計画に従った返済をすることで、自宅を残したまま、借金を5分の1程度に圧縮することができるというメリットがありますが、利用者には将来において継続的に収入を得る見込みがあり、債務総額が5000万円を超えない等の制限があります。また、他の債務整理手続きに比べ、若干煩雑な手続きになります。なお、ご自宅を残す場合には、住宅ローンを圧縮することはできません。
手続きはおおよそ以下のようになります。
① 弁護士と面会でご相談。借金の状況、収入・支出、自宅の価値や残ローンの状況等をお聞きします。
個人再生が最適と思われた場合、契約書を締結し、個人再生の委任を受けます。
② 弁護士から、各債権者に受任通知を出します。
これ以降、ご依頼者に債権者から直接連絡が来ることはなくなります。
③ 債権者から取り寄せた取引履歴から、弁護士が、利息制限法に基づく引き直し計算をし、返済額を確定します。利息制限法を超える利息を支払っていた場合債務額が減額されます(過払い金を回収できる場合もあります)。
④ ご依頼者から集めていただいた資料に基づき、弁護士が個人再生申立書を作成し、裁判所に申立を行います。
⑤ 個人再生申立後、裁判所から個人再生委員が選任された場合には、個人再生委員と面談をしていただき、財産や債務の状況、再生計画案等について確認を受けます。
特に問題がなければ、裁判所から個人再生開始決定が出されます。
⑥ 個人再生開始決定後、各債務者に対し、債権額の調査等が確認されます。
⑦ 債務総額が決定したところで、弁護士は、ご依頼者とご相談の上、再生計画案を作成し、裁判所と個人再生委員に提出します。
裁判所は、個人再生委員や債務者に意見聴取の上、再生計画を認可します。
⑧ 再生計画が認可された場合、ご依頼者には、その再生計画にしたがって弁済を行っていただきます。再生計画に従った弁済を全て完了すれば、それ以上の弁済をする必要はなくなります。
4 自己破産
自己破産とは、裁判所から免責許可をもらうことで借金を原則全額免除してもらう手続きです(税金や養育費等一部免責されない例外があります)。したがって、借金を全て無くして、人生をリセットしたいと考えている方に向いています。ただし、ほとんどの財産を債権者に分配することが必要となりますので、自宅を残したい等のご希望がある場合には利用できません。
手続きはおおよそ以下のようになります。
① 弁護士と面会でご相談。借金の状況、収入・支出の状況等をお聞きします。
自己破産が最適と思われた場合、契約書を締結し、自己破産の委任を受けます。
② 弁護士から、各債権者に受任通知を出します。
これ以降、ご依頼者に債権者から直接連絡が来ることはなくなります。
③ 債権者から取り寄せた取引履歴から、弁護士が、利息制限法に基づく引き直し計算をし、返済額を確定します。利息制限法を超える利息を支払っていた場合債務額が減額されます(過払い金を回収できる場合もあります)。
④ ご依頼者から集めていただいた資料に基づき、弁護士が自己破産申立書を作成し、裁判所に申立を行います。
⑤ 管轄の裁判所によっては、弁護士と一緒に、ご依頼者に裁判官との面接(5分程度)に行っていただきます。
一定基準以上の資産が存在する等場合には裁判所から破産管財人が選任されます。この場合には、免責許可決定を受けるまでに管財人との面接や債権者集会への出席が必要となります。
資産が一定基準以下の場合には同時廃止となり、破産管財人は選任されませんが、免責許可決定を受けるまでに、2か月程度、債権者の意見を聞くための待期期間となります。
⑥ 裁判所から免責許可決定が出た場合、原則借金はゼロになります。
5 まとめ
以上は、大まかな債務整理の手続きですが、イメージを持っていただけたでしょうか。
債務整理を弁護士に依頼された場合、過払い金の請求だけという場合を除き、いわゆるブラックリストに載り、数年間はお借り入れができないことにはなってしまいますが、会社にばれたり、親戚にばれたりという恐れはありません。
借金の返済で頭がいっぱいになる前に、ぜひ、お気軽に弁護士にご相談いただければ幸いです。
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|朝日新聞に川岸弁護士が掲載されました
2017年6月8日 木曜日
2017年5月28日付朝日新聞連載の「働き方改革を問う」第3回 揺らぐ正社員像 に、川岸卓哉弁護士の担当しているグリーンディスプレイ青年過労事故死事件が掲載されました。
記事は、下記のURLからご覧になれます。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12959930.html
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|借地非訟事件 借地権譲渡と借地非訟申立(弁護士 篠原義仁)
2017年5月30日 火曜日
1 火災の発生
川崎市川崎区所在の宅地262㎡の土地を目的とする土地賃貸借契約が、20年の契約期間を終え、平成26年1月、相当額の更新料を支払い、新たに20年の更新契約が締結されました。
この借地上には、木造瓦葺2階建居宅、床面積 1階118.97㎡、2階111.40㎡の建物が建築され、一部は、自己使用の居住用として、一部が賃貸用の共同住宅として利用されていました。
ところが、平成28年2月に火災が発生し、延べ床面積のうち、1階60㎡、2階100㎡が一部類焼し、1階45㎡、2階46㎡が消防活動で水濡れとなり、その結果、居住者は全員引越しし、非居住の状態となりました。
2 大規模改造を断念、借地権譲渡へ
前記建物は、被災の結果、建物自体は一部消失したものの一部は残存し、しかし、大きな建物のため、再居住のためには大規模改造が必要となりました。
しかし、借地人は高齢で、改造資金に乏しく、一方、賃貸借契約は契約更新後間がなく、その残存期間が長期間あり、262㎡という借地上の広さからしてその財産時価も大きく、それらを総合して、借地人は、財産的価値の確保のため、賃貸人の承諾を得て、借地権を譲渡する決意を固めました。
そこで、不動産業者に依頼して、若干の期間をかけて、同じ川崎区内の不動産業者でアパート経営を行っている会社を見つけ、借地権の買受人を確定しました。
また、買受人としては、被災した建物の大改造ではなく、既存建物を取り毀して、借地上に新たに2階建の共同住宅を建てたいということで、借地権譲渡の承諾とともに建物改築の承諾も併せ、賃貸人から取ってほしい、それから買受けると申出るに至りました。
3 賃貸人(地主)との交渉
そこで、借地人は、買受人の営業報告書、決算報告書の提供をうけて、買受人として資力状況、会社実績に問題がないことを明らかにし、そして、改築予定の建築図面(平面図、立体図)を作成してもらい、改築予定建物が周辺地域(市街化区域、第二種住居地域、容積率200%、建ぺい率60%、準防火地域、第3種高度地域)の利用形態に適合していることを前提にして、平成28年4月に賃貸人に借地権譲渡と改築という2つの承諾を求めて、話合いの申入をしました。
そして、話し合いがなかなか進展しないなかで、平成28年7月に同趣旨の再度の申入をしました。
しかし、これに対し、賃貸人は、「承諾はしない。火災を起こした以上、無償で明渡してもらいたい」として、借地人の申入を拒否してきました。
4 借地非訟手続の申立
この賃貸人の対応に直面して、借地人は弁護士に委任して、前記2つの承諾を求めて、借地借家法17条、19条(地主の承諾に代る裁判所の許可)の規定に基づいて、平成28年10月、横浜地方裁判所川崎支部に対し、2つの承諾をセットの形にして借地非訟事件の申立をしました。
借地非訟事件の手続は、双方の代理人弁護士の手によって、年内中は、双方の言い分のすり合せが行われ、そして、年明けからは当初「無償の明渡」に固執していた賃貸人が借地権を買戻す、つまり、有償での解決を申出てきて、但し、通常の借地権評価ではなく、火災の発生とそれによる一部消失の建物の現状を勘案しての「金額」で解決したいということで、裁判上の和解折衝が開始されました。
その結果、裁判提起(借地非訟事件の申立)から約5ヵ月のちの平成29年4月に、適正額を確定した上で借地権を賃貸人が買取るということで、一件落着しました。
和解成立後、一部焼失した建物は、4月末に解体業者の手によって取毀され、5月中旬に建物滅失登記手続が完了し、無事更地化した状態で賃借人(借地人)から賃貸人(地主)に引渡が行われました。
前回の事例紹介では、建物改築の手続きを紹介しました。今回は、火災発生ということで、借地人として思わぬ事態となったのですが、借地非訟手続の正しい理解のもとに、借地権譲渡の案件が、賃貸人の買取りという方向で無事解決したことをご紹介しました。
ともあれ、土地賃貸借契約(借地契約)の思わぬ事態の発生に対処するためには、なるべく早い時期からの法律相談をお勧めする次第です。
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|弁護士ドットコムニュースに川岸卓哉弁護士が掲載されました
2017年5月18日 木曜日
2017年4月13日の弁護士ドットコムニュースに川岸卓哉弁護士が掲載されました。
記事は下記のURLからご覧になれます。
https://www.bengo4.com/c_5/n_5963/
「ブラック産業医が復職阻止、クビ切りビジネスをしている」弁護士が警鐘
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